“特に何もないけど、ずっと疲れている”と感じている人へ :心が放つ静かなSOS
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
今日の記事は、「別に何か大きなことがあったわけじゃない」「誰かに何か言われたわけでもない」
それなのに、なんとなくずっと疲れている…というあなたへ伝えたい内容です。
何もないのに、なんでこんなに疲れているんだろう?
・これといった悩みはないはずなのに、気力が湧かない
・やらなきゃいけないことはあるけど、体が動かない
・ちゃんと寝たのに、朝から疲れている
そんなふうに感じると、「自分は甘えてるのかな」と責めたくなる気持ちが湧いてくることもあるかもしれません。
でも、疲れの理由がはっきりしないとしても、あなたが疲れているのは事実。あなたが感じている疲れは、本物です。
むしろ、「はっきりとした原因がない疲れ」は、
それだけ心の中で長く続いている疲れや無理が、静かに積み重なってきた証かもしれません。
心が疲れていくとき
相談に来られる方の中にも、「何がつらいのか自分でもわからない」「大きな悩みがあるわけじゃないけど、なんだかずっとしんどい」とお話しされる方が、少なくありません。
たとえば、こんなことはないでしょうか?
・毎日、当たり前のように気を張って過ごしている
・人との会話で、自然に笑顔をつくってしまう
・SNSでは元気に見えるけれど、画面を閉じるとどっと疲れている
こうした“ちいさな我慢”や“習慣になっている緊張感”が、少しずつ心の奥に疲れをためていくのです。
表面上は元気に見えても、心の中ではずっと力が入りっぱなしだったり、「本当の自分」をどこかに置き去りにしたまま、がんばり続けていることも珍しくありません。
疲れるのは、あなたが「何かを頑張った」証。
何も頑張れていないと感じる方もいるかもしれませんが、過去にたくさん頑張ったのかもしれません。
あなたが本当に何も頑張っていなかったら、こんなふうに疲れることはないからです。
また、疲れを引き起こすのは、行動だけではありません。
悩み事や不安といった「考え事」も、体力を消耗させます。
相談事例:何もないのに、涙が出そうになる
Kさん(40代・女性)は、「最近、なんとなく毎日がしんどくて…」とカウンセリングに来られました。
お話を聞くと、仕事も家庭も、特別なトラブルがあるわけではない…。それなのに、朝起きたときから疲れていて、週末になっても気持ちが晴れない…。誰かと話していてもどこか上の空で、急に泣きたくなる瞬間もあると話してくださいました。
Kさんは、長いあいだ“人に心配をかけないように”とがんばってきた方でした。
「私は大丈夫」が口ぐせになり、自分の疲れやしんどさを感じる前に、笑顔で乗り越えるのが当たり前になっていたのです。
カウンセリングでは、「“何もないけど疲れている”って、それだけがんばってきた証なんですね」とお伝えしました。
その上で、「大丈夫じゃない」「疲れた」「本当はしんどかった」と言葉にしてもらうと、Kさんは「やっと言えた」「本当は誰かに聞いてもらいたかったのかも」と涙を流されていました。
疲れたときには、「理由を探す」より「気づいてあげる」
私たちはつい、「なぜ疲れているのか」「何が悪いのか」と、原因を探してしまいます。
でも本当は、理由がわからなくても、“しんどい”と感じているなら、それは大切なサイン。
「しんどいと感じている」ということが、無理せず過ごす十分な理由なのです。
だからまずは、こう問いかけてみてください。
「今日も、よくがんばってきたね」
「しんどくても、ここまできたんだね」
その言葉を、“だれか”ではなく、“自分自身”にかけてあげること。
それが、心の奥にたまっていた疲れを少しずつゆるめてくれるはずです。
さいごに
“特に何もないけど、ずっと疲れている”——
そんなふうに感じた時こそ、この感覚を無視しないであげてください。
「理由がないのにしんどい」のではなく、
「気づかれにくい理由が積み重なって、しんどくなっている」だけかもしれません。
「何もしていないのに疲れる」と感じる日があったら、
それは、あなたが“見えないところで心を動かし続けてきた”からかもしれません。
つまりその疲れは、あなたがこれまでずっとがんばってきた証。
誰にも気づかれなかったかもしれないけれど、認めてもらえない日もあったかもしれないけれど、それでもあなたはちゃんと日々を生きてきました。
だからもし、今ちょっと立ち止まりたくなったら、立ち止まっても大丈夫です。
「休みたい」と思う心も、「このままでいいのかな」と迷う心も、どれもあなたの中にある、大切な声です。
その声を一緒に聴く場所が、ここにあります。
あなたが少しずつ、自分のペースを取り戻せますように。
今日もあなたが、あなたを大切にできますように。