【なぜ?】決められない!行動できない!に隠された3つの理由
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
今回のブログテーマは、『なぜか行動できない』について。
※この内容はVoicyでも音声配信しています。
「行動できないのはダメ」と、あなたを批判するつもりはありません。
「行動できた方が良い!」と、オススメするつもりもありません。
「こうすれば行動できるよ!」という、画期的なアドバイスをお伝えするのでもありません。
※アドバイスは100人いれば200通り以上あるので、ブログを通して「1つのアドバイス」を伝えるのは難しいのです。
今回お伝えしたいのは、
なぜあなたが行動できないのか
という理由についてです。
原因を知ってどうなるの?
原因を知って何になるの?と思われるかもしれませんね。
でも「原因」を知らないと、「対処」はできません。
この記事をご覧いただいているということは、「行動できない」ということに何かしら悩んでいるのではと思います。
行動できない自分を変えたいと思っていたり、行動できない自分はダメだと自責していたり、「このままでいいのか…」と周囲と比べて落ち込んでしまっている人もいるかもしれません。
さて。
スマホの動作が遅く、アプリが正常に動かない場面をイメージしてみてください。真夜中なので、今すぐ修理に出すことも出来ません。
問題が「スマホ側」なのか「アプリ側」なのか。それとも「通信環境」に問題があるのか分からなければ、何をどう対処したらいいか分からないですよね。
スマホを再起動したり、アプリを立ち上げ直したりと、自分なりに試すしかありません。
でもこの時に「原因がアプリの不具合」だと分かったら、どうでしょうか?
自分では頑張りようがないですから、あれこれ手を尽くさず「待つ」という選択を取ることが出来ますね。「アレコレ試す時間」を節約して、他のことのために時間や体力を使うことができます。
このように原因が分かれば、
対処できる事はたくさんあります。
原因を探すのは遠回りのようですが、実は解決の近道になるということもあるのです。
※何でもかんでも過去を掘り返すのが良いというわけではないので、「現実の問題」がある時に過去を振り返ることをおすすめします。思い出さない方が良いこと、思い出さなくても良いこともたくさんありますから。
行動できない3つの理由
「なぜか行動できない」には、とてもたくさんの理由や原因が隠されています。
今回はその中でも特に多い「3つの理由」について取り上げていきますね。
1.親が全部決めてきた
子どもの頃は何でも自由に決断できたけれど、「大人になって急に決断できなくなった」というケースは非常に稀です。
大人になって「決断できない」「行動できない」と悩んでいる人の大半は、子どもの頃から『決断や行動が苦手』ということが多いのです。
・・・いえ正確には、「自由に決断させてもらえなかった」「自由に行動させてもらえなかった」と言った方が良いかもしれませんね。
「親はこっちがいいって言うだろうな」と察したり、「これにしなさい」と強制させられたり、「好きにしていいよ」と言いつつ「これはダメ」と言われたり。
親にしたら「良かれと思って」「あなたのために」という行動が、結果として子どもの頃に自分で決めたり行動したりする回数を減らしてしまうことがあるのです。
このケースが自分にしっくりくるのなら、あなたは行動できないのではなくて『行動することに慣れていない」可能性があります。
あなたがダメだから出来ないのではなくて、慣れていないから「まだ」出来ないだけです。
ブログでは「対処法」については書ききれないのですが、あなたには決断する力も行動する力もちゃんとありますよ。
2.やれば、できるの罠
ファッションにブームがあるように、子育て方針にも年代ごとにある程度ブーム(流行り)があります。
良い声掛けとして流行った言葉が、ある時代には「良くない言葉」「使いどころを気をつけなくてはいけない言葉」として扱われることも珍しくありません。
「やればできる!」という励ましもその1つです。
子どものやる気を引き出すきっかけになることもありますが、多用しすぎると逆にやる気がなくなったり、チャレンジしなくなることもあります。
やればできるという言葉が、「やれ」「やりなさい」に感じる子もいます。
すると自分が出来ないのは「私がやらないからだ」と思い込み、「やらなきゃ」と焦燥感に襲われたり、「頑張れない自分がダメなんだ」と自責してしまう事もあります。ただ単に苦手だったり、好きではない事だとしてもです。
やればできるという言葉で、やる気を失う子もいます。
本当にやってみてできなかったら「自分に能力がない」ということを突きつけられてしまうのでは、と怖くなるからです。
すると「やらない方」を選ぶようになります。
やらなければ傷つくことがないからです。「やっていないから、できないだけ」と心を守ることができますから。
子どもの頃親に言われた言葉というのは、私達が想像する以上に『強く影響を与えている』ことが多いです。
「なぜかできないこと」がある時は、過去に何かなかったか探してみるとよいかもしれません。
・・・とお伝えすると、「もう大人なのに」「こんな年にもなって子どもの頃のことを言うなんて…」とおっしゃる方もいます。
でも、大丈夫ですよ。
過去の原因を探す事は、他責にしているわけでもなければ、逃げることとも違います。
今をよりラクに生きる為に、「生きづらさの原因を探す」という前向きな選択の1つですから。
3.ワクワクより「不安」「恐怖」
フィア・アピール(恐怖アピール)という心理的手法を知っていますか?
恐怖や不安を煽って、「相手に行動を起こさせる(行動させない)」ための手法です。
化粧品やサプリメントなどの広告では消費者の「行動を起こさせる(恐怖を煽って買わせる)」目的で使われやすく、コロナ禍など行動制限を強いる時には「行動させない」ために使われることの多い手法です。
◆行動を起こさせる例
「毛穴のポツポツは肌内部の乱れが、かなり進んでいるというSOSサインです。このまま放っておくと、数年後には大変なことになります。だからこの化粧品でケアしましょう」
「年齢とともに基礎代謝は落ちるので、今痩せないと太る一方。手遅れになりますよ」
◆行動させない例
「みんなが我慢しているのに、あなた一人だけ好き勝手するのはワガママですよ」
「みんな座っているのに、あなただけ立っていたら変な目で見られますよ」
実はこれと同じことが、親子間でも起こることがあります。
例えば、兄の悪口を言う母親がいたとしましょう。
「勉強しないとお兄ちゃんみたいになっちゃうよ!」というのは、『兄のようになりたくなければ勉強しろ』というフィア・アピールです。
自分の人生は不幸だったから、子どもに幸せになってほしいと願う母親がいたとしましょう。
「私みたいになってほしくないから、あなたのためを思って言っているの」と言われると、『母親を悲しませてはいけない』『母のようになってはいけない』というフィア・アピールに加え、「あなたのため」という言葉を拒否することの罪悪感も加わってしまいます。
多くの場合、親に悪気はありません。
ですが、悪気があってもなくても「子どもに影響を及ぼしてしまう」というのは1つの事実です。
「私のためを思って言ってくれたから」「親にも悪気がなかったから」という事実を受け入れられる心は素晴らしいですが、だからといって親があなたに与えた影響を見てみぬふりする必要はありません。
傷ついた気持ちは「傷ついた」でいいし、嫌なことを言われたなら「嫌だった」でいいのですよ。
これは、あなたが「自分らしく生きていく」ために、とても大切なことです。
「傷ついた」と気持ちを認めることと、「傷ついた!あなたのせいだ!」と母親を責めるのとは、違います。
あなたが心の中で自分の本音を認めても、誰も傷つけないから大丈夫です。
さて。
このようなフィア・アピールで動くことに慣れていると、『ワクワクするという動機で動けなくなる』ことがあります。
子どもの頃からずっと「しなきゃ」「やらなきゃ」「怒られたくない」で動いてきたので、「したい!」「やりたい!」「楽しそう!」で行動することに慣れていないのです。
子どもの頃から「したいこと」を抑え込んで親に合わせてきた人ほど、大人になった時に「したいことが出てこない」「やりたいことがない」と思うようになります。
「嫌だ」「やりたくない」という気持ちを抑え込んで頑張ってきた人ほど、「楽しい」「嬉しい」が出にくくなります。ネガティブとポジティブは両方で成り立っており、どちらか一方の感情を抑えれば、もう一方の感情も抑えられてしまうからです。
あなたの行動できない理由は何?
行動できない理由は、人それぞれ違います。
理由が1つではなく、いくつかの原因が複雑に絡み合っていることも珍しくありません。
今回ご紹介したのは、そのうち特に多くみられる「3つの理由」についてです。
行動できないのがダメなのではありません。行動できないのには理由がありますし、「行動しない方が良い」こともあります。
カウンセリングを行っていると、「実は自分のせいではないこと」で自分を責めて苦しんでいる方が多いことを実感します。
もしあなたが「行動したいのに出来ない」と悩んでいるのなら、今回のブログが「なぜ出来ないのか」を知る1つのきっかけになればと思います。
「出来ない自分」を責めてしまうと、ますます苦しくなってしまいますから。