不安が“暴走”してしまうあなたへ ——“見捨てられ不安”との向き合い方
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
- 誰かと話したあと、「嫌われたかもしれない」と思って苦しくなる
- LINEの返事が少し遅れるだけで、「もう距離を置かれたのかな」と不安になる
- 自分以外の人と楽しそうにしているのをみると、感情が抑えられない
そんなふうに、人との関係に不安が膨らんでしまうこと、ありませんか?
そのことを誰かに打ち明けても、「気にしすぎだよ」なんて言われたりして…
誰にも理解されない状況にますます自分を責めてしまったり、相手に気を遣いすぎてしまったりして、心も体もヘトヘトになってしまう…という人が増えています。
我慢が続いて、怒りや不安が爆発してしまうということも、珍しくありません。
今日はそんな、「見捨てられることが怖い」と感じてしまうあなたへ、少しでも心が軽くなるヒントを届けられたらと思っています。
人との距離に敏感になる理由
「嫌われたくない」
「置いていかれたくない」
「見捨てられたくない」
「もっと自分を見てほしい」
そう思うのは、決しておかしなことではありません。
それだけあなたが、誰かとちゃんとつながっていたいと願っている証です。
過去の経験や、大切にされたかった想いがあるからこそ、今のあなたは人との関係にとても敏感なのかもしれません。
でもその想いが強すぎると、「嫌われないようにしなきゃ」と自分を抑え込んでしまったり、ほんの些細なことで大きな不安に飲み込まれてしまうこともあります。
なぜ“不安”は暴走してしまうのか
見捨てられ不安を抱えている人は、過去に「突然関係が壊れた」経験があることが少なくありません。
たとえば、気づかないうちに大切な人が離れていったり、がんばっても報われなかったり。
「私は大事にされない存在なのかな」と思ってしまうような、深い傷を抱えていることもあります。
そのようなつらい記憶があると、今現在の人間関係でも「また傷つくかも」「どうせ見捨てられる」と心が先回りしてしまうのです。
すると、不安を抑えるために無理をして頑張りすぎてしまったり、心を閉ざしてしまったり、逆に心を開きすぎて相手が離れていったり…。
そうして、望んでいたはずの「安心できる関係」からどんどん遠ざかってしまうこともあるのです。
“見捨てられ不安”を抱えやすい5つのタイプ
1. 人の顔色を過剰に気にしてしまう
「相手の機嫌が悪いのは、私のせいかもしれない」
そんなふうに、他人の気持ちを自分の責任のように感じてしまうことがよくあります。
幼少期から「迷惑をかけてはいけない」と育てられた人に多く見られる傾向です。
2. 自分より相手を優先してしまう
「相手が喜んでくれるなら、それでいい」
そうやって、自分の気持ちを後回しにしてきた人ほど、関係が一方通行になりやすく、結果的に“見捨てられる”ような感覚を経験しやすくなります。
3. 過去に突然、関係が切れた経験がある
大切な人から急に距離を置かれたり、理由もわからないまま離れていかれた経験があると、「また同じことが起こるかもしれない」という不安を抱えるようになります。
実際には、相手に見捨てるつもりがなくても、ほんの些細な言葉や行動から「見捨てられた」と感じたり、「見捨てられる」と感じて距離をとってしまったりします。
4. 「自分は価値がない」と感じやすい
自己肯定感が低く、「どうせ私なんて」と思ってしまいやすい人も、「こんな自分が好かれるわけがない」と、見捨てられる前提で人と関わってしまいます。
5. 愛されるために“いい子”を演じてきた
怒られないように、迷惑をかけないように…と小さなころから周囲に気を遣って生きてきた人は、本音を出すことに恐れを感じやすく、「本当の自分を見せたら嫌われる」と信じ込んでしまうことがあります。
ここで5つの特徴を挙げたのは、「当てはまるのがダメだ」と指摘するためではありません。
あなたの見捨てられ不安が「どこからきているのか」、その背景を知ってもらうためにお伝えしました。
いずれのパターンにも共通するのは、これまでの経験や環境の中で、必死に身につけてきた“生きるための知恵”だということ。
まずはそのことに気づくことが、「見捨てられ不安」を和らげる第一歩となります。
見捨てられ不安を乗り越える3つのステップ
“つながる安心感”を少しずつ取り戻すために、見捨てられ不安を乗り越える3つのステップについてお話しします。
※これらのステップは1、2、3…とスムーズに進むこともあれば、1と2、2と3を行ったり来たりすることもあります。あくまで3つのステップの目安としてご覧ください
ステップ1:不安を否定せず、そのまま感じてみる
「また嫌われたかも…」
そう感じるのは、決して悪いことではありません。
不安は心の“防衛反応”。あなたを守ろうとするサインでもあるからです。
だから、まずはその気持ちにフタをせず、「私は今、怖いんだな」「傷つきたくないと思ってるんだな」と、自分の気持ちにそっと寄り添ってあげてください。
「私は今こう思っている」と考えることで、「実際に嫌われた」わけではなく、「嫌われたと思っている」と捉え直すことができます。
事実ではなくて「そう思ってしまうだけ」という風に、脳が上書きします。
ステップ2:「自分の心の声」に目を向ける
見捨てられ不安が強いとき、つい相手にどう思われるかばかりが気になってしまいがちです。
でも、その奥にはきっと、「もっと分かってほしい」「ちゃんと愛されたい」という、自分の本音があるはずです。
だからこそ、相手に合わせることばかりではなく、
「私は本当はどうしたかった?」
「何を言いたかった?」
と、自分の内側にある声にも耳を傾けてみましょう。
それが、「自分を大切にする」第一歩になります。
ステップ3:安心できる人と気持ちを分かち合う
不安を抱えたまま、ずっと一人で考えていると、どうしても心の中でネガティブな妄想が大きくなりがちです
でも、誰かに話すだけで、「そこまで気にしなくてよかったんだ」と気づけることもたくさんあります。
安心して話せる人がいないと感じているときは、カウンセリングのような“否定されない場所”に頼るのも一つの方法です。Pocheメールカウンセリングもその1つとして思い出していただけると嬉しいです。
誰かに話す勇気が出ないときは、まずは紙に書いてみることからでも構いません。
紙に書き出すことで自分の不安が可視化されて、「よく分からない不安」は膨らみにくくなります。
見捨てられ不安は、一生背負うものではありません。
和らげていくことのできるものです。
焦らなくても大丈夫。少しずつ、あなたのペースで、見捨てられ不安と向き合っていきましょう。