本音が言えないのはなぜ?言いたいけど言えない理由と心が軽くなるヒント
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
「言いたいことが言えない」
「本当はこう思っているのに、言葉にできない」
「その場で言えなくて、あとでモヤモヤする」
そんなふうに悩んでしまうことはありませんか?
一度や二度は、誰でもこのような経験をしたことがあるかもしれません。
でも…
「いつもそう」という場合は、
「言えないこと」が当たり前になっていって、「言えないストレス」に心や体が疲弊してしまいます。
もしあなたもそも一人なら…
まずは、あなたが今までずっと、言えないなりに頑張ってきたこと。そして、本音を言えないような環境で、ちゃんと耐えてきたことを認めてあげてくださいね。
「言えない本音」にも種類がある
一言に「本音が言えない」といっても、実はその背景にはいくつかのパターンがあります。
だからこそ、まずは自分がどの「言えなさ」に当てはまるのか、確認してみることから始めましょう。
ここではよくみられる3パターンについて、お伝えしていきます。
1つめ:本当は言いたいけど、言うのが怖い
言いたいことは、ちゃんとある。
でも、いざその場になると、喉の奥で言葉が詰まってしまうパターンです。
「もし嫌われたらどうしよう」
「こんなこと言ったら、否定されるかも」
「空気を壊したくない…」
そんなふうに、怖くなってしまうのは、あなたの中に「過去の傷」があるからかもしれません。
たとえば、子どもの頃にこんな経験がありませんでしたか?
- 家族に本音を伝えたら怒られた
- 友達に気持ちを話したら笑われた
- 正直に言ったのに「わがままだ」と言われた
そうした体験は、「本音を言うと人に嫌われる」「自分の気持ちは受け入れてもらえない」といった恐れにつながります。
この恐れは、時間が経っても心に根を張ったまま残ることがあり、大人になってからも無意識に私たちの行動を制限してしまうのです。
2つめ:言いたい気持ちすら湧いてこない
「言いたいことが言えない」とすら、感じない。
そもそも、自分が何を感じているのか、何を言いたいのかすら、よくわからない——。
そんなふうに感じる方もいらっしゃるかもしれません。
この状態は、一見すると「何も感じていない」ように見えるかもしれませんが、実は心が疲れ切ってしまったサインであることもあります。
たとえば…
- 小さい頃から「我慢しなさい」「気にしすぎ」と言われてきた
- 自分の気持ちを話しても、ちゃんと聞いてもらえなかった
- 感情を表すよりも、空気を読むことが大切だと学んできた
こうした経験を重ねると、「どうせ言っても無駄」「自分の気持ちはわかってもらえない」と感じるようになり、次第に「感じること」や「表現すること」自体にフタをしてしまうようになります。
この状態を心理学では「感情の麻痺」や「心のセンサーが鈍くなる」とも呼びます。
「感じなくなった人」というよりは、「感じたらつらかったから、感じないようにしてきた人」なのです。
3つめ:言いたいことはあるけど、うまく言葉にならない
「ちゃんと伝えたい気持ちはあるのに…」
「頭の中ではいろんな思いが渦巻いているのに…」
いざ口に出そうとすると、言葉が見つからない。
そんなふうに感じて、もどかしい思いをしたことはありませんか?
これは決して、「伝える力がない」からではありません。
それよりも、感情がまだ整理されていなかったり、これまで「自分の気持ちを表現する経験」が少なかったことが影響していることがあります。
たとえば…
- 子どもの頃に、自分の思いをうまく聞いてもらえなかった
- 感情を言葉にする習慣がなかった
- 伝えようとしたときに「何が言いたいの?」と遮られてしまった
こうした体験は、「どうせ伝わらない」「自分の言葉は届かない」という無力感につながり、思いはあるのに、それを形にすることが怖くなってしまうのです。
本音が言えなくなる理由
「本音が言えない」ようになった背景はいろいろありますが、その根っこにあるのは「心を守るため」だったのかもしれません。
本音が言えないことに悩む人の多くは、子どもの頃から「気を遣って生きてきた」人だからです。
たとえば…
- 親の機嫌をうかがって過ごしていた
- 「いい子にしていなさい」と言われ続けた
- 感情を出すことを否定されてきた
こうした環境で育った人は、自分の気持ちを押し殺し、「言わない方が安全」「我慢すれば平和に過ごせる」と学習してきたのです。
その結果、大人になってからも本音を抑えるクセが抜けず、言いたいことが喉元まで出かかっても、つい引っ込めてしまうようになります。
でも、それはあなたの心が「これまで必死に守ってきた術」。
悪いことではなく、むしろあなたのやさしさや努力の証です。
少しずつ「言える自分」に戻っていくには
いきなり「本音を言おう!」と気合いを入れてもうまくいかないのは当然です。
なぜなら、本音を言うこと自体が、あなたにとっては「危険だった記憶」があるから。
だからこそ、おすすめしたいのは 「スモールステップ」での練習。
たとえば…
- 「今日は疲れたな」と、感情を少しだけ言ってみる
- 信頼できる人に「実は話したいことがあるんだけど…」と前置きしてみる
- ノートに自分の気持ちを少しずつ書き出す練習をする
心理学でも、「恐れがある対象に少しずつ慣れていく方法」は、不安を和らげ、行動を変えていく有効なアプローチとされています。
反対に、時には「一気に言ってしまう」というやり方が合う方もいます。
長年言えなかった気持ちを一度に解放することで、心の大きな転換点になることもあるからです。
※どんな方法が合うかは人それぞれ違います。自分にどんな方法があるのかなど、個別のご相談はメールカウンセリングにて承ります。
最後に——言えない自分を責めないで
本音が言えないのは、あなたのせいではありません。
ただ、これまで「言えない環境」で頑張ってきただけなんです。
でも、この記事を読んでくれているあなたは今、「少し変わりたい」と思っているのではないでしょうか。
その気持ちがあるだけで、もう立派な一歩を踏み出しているんです。
どうか焦らず、あなたのペース。
あなたがあなたらしく、安心して本音を言える場所が、これからきっと見つかりますように。