「1対1なら話せるのに…」 集団の輪の中にいると苦しくなるのはなぜ?―1対1で話せるのに話せなくなる理由
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
「1対1なら普通に話せるのに、複数人になると急に話せなくなる」
「輪の中にいるだけで、なんだか落ち着かなくて、そわそわしてしまう」
そんな経験は、ありませんか?
にぎやかな会話の中、うまく入れない自分。
話すタイミングがわからなくて、ただうなずいているだけの自分。
「私ここにいる意味ある?」と悲しくなったり…。
「何か話さなきゃ」と思うほど、心がぎゅっと苦しくなってしまったり、頑張って話に入っても会話がピタッと止まってしまったり。
「変なこと言ったかな」「私は話さない方がいいのかな」なんて、不安になる…。
今日は、そんな「集団の中で話せなくなる理由」についてお話しします。
そして、「そのままの自分でも大丈夫なんだ」と感じられるような視点をお届けできたらと思います。
集団で話せない理由
「私って人見知りすぎるのかな」
「空気が読めないのかも…」
「みんなは楽しそうなのに、なんで自分だけ?」
「興味のない会話でうまく笑えない」
そんなふうに、自分を責めてしまう方はとても多いです。
でも、集団が苦手なことは、決して「ダメなところ」ではありません。
それは、あなたの繊細さや感受性が、ちゃんと働いている証拠でもあるのです。
集団がしんどく感じる理由
・いま話していいかな?
・他の人の話を遮ってないかな?
・話がズレてたらどうしよう
・誰かが嫌な思いをしないかな…
・変に思われないかな?
などなど。
人が複数いる場面で、心の中でこんなふうに考えることはありますか?
1対1のときは「目の前の相手」だけみて会話をすればいいのですが、複数人になると「見る相手」が増えてしまいます。
その分、脳も心もフル回転。
「感じ取るのが得意な人」や、「人の顔色が気になる人」「気遣い上手な人」ほど、集団で疲れやすくなってしまうんです。
実は、集団の中でもあまり疲れない人は、こういったことをそこまで細かく考えていないことも多いんです。
よくいえば「おおらか」とも言えますが、
気が利かなかったり、自分のことしか考えていなかったり、言葉を選ばず人を傷つけてしまったりする人もします。
集団が苦手だと感じるのは、あなたがそれだけまわりに気を配れている、ということ。
だから疲れるんです。だからこそ、しんどくなるんです。
でもそれは、あなたの“よさ”であり“やさしさ”でもあります。
自分では「弱さ」「ダメなところ」だと思っているかもしれないけれど、
実はそれは、誰かに安心感を与えたり、場をあたたかく整えてくれる力でもあるのです。
「みんなの前で話せない自分」を責めなくていい理由
みんなの前でうまく話せない。
何を言っていいかわからなくなる。
そんな自分を責めたくなるときもあるかもしれませんが、それはある意味、自然な反応です。
なぜなら集団の場面では、話す内容だけでなく、同時に処理しなければいけないことが一気に増えるから。
誰に向けて話しているのか、話し終えたあとの空気がどうなるか、他の人の反応にどう答えるか……そんなふうに「考えられる人」ほど、集団の場が苦手になりやすいのです。
もしかすると、中には「いやいいや。私は、考えるのが苦手だから集団が疲れる」という方もいるかもしれません。
でもそれも、とても自然なことなんです。
「考えすぎて疲れる人」もいれば、「何を考えていいか分からなくて疲れる人」もいます。
つまり、“集団が苦手”の感じ方は人それぞれ。
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空気を読みすぎて疲れる人
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話の流れに追いつけなくて疲れる人
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自分の居場所が見つからなくて疲れる人
どんなパターンであれ、共通しているのは、心がちゃんと「がんばって関わろう」としているということなんです。
だから、「考えすぎるからダメ」「考えられないからダメ」と、どちら側からも自分を責める必要はありません。
「集団の場にしんどさを感じる」というその感覚こそが、今のあなたの大切な心のサイン。
そこに気づけるだけでも、あなたはちゃんと自分と向き合おうとしている証だと、私は感じています。
だから、「うまく話せなかった」ではなくて、
「それだけたくさんのことを感じ取っていた」というふうに捉えてみてくださいね。
無理に“輪に入ろう”としなくて大丈夫
「もっと話さなきゃ」
「場を盛り上げなきゃ」
そんなふうに思う必要はありません。
むしろ、無理に輪に入ろうとすると、心はどんどん疲弊してしまいます。
・そばで静かに笑っているだけにしてみる。
・誰かひとりと、あとでゆっくり話してみる。
あなたのやり方で、関わればそれでいいんです。
声が小さくても。うまく笑えなくても。沈黙していても…。
あなたの存在には、ちゃんと意味があります。
にぎやかに話す人がいて、そっと隣にいてくれる人がいて、
言葉にしなくても気づいてくれる人がいて――
それぞれの関わり方があって、ひとつの“輪”ができているんです。
話せない日も、話したくない日もあっていい。
無理に会話に入らなくても、ちゃんとあなたはそこに“いていい人”です。
話せないことで自分を責めるのではなく、感じ取れている自分に「ありがとう」と言ってあげてください。
その繊細さが、あなたのやさしさであり、強さでもあるのです。
「昨日は集団でいた方が安心したけど、今日は一人の方がいい」そんな日もあります。
「疲れたからしばらく一人がいい」という日が続くこともあれば、「一人は寂しい」と感じる日もあるでしょう。
「一度決めたらこうしなきゃいけない!」ということはありません。
その日、その日で気持ちが変わることもあります。
「その時」「その日」の自分の心の声を聞いて、できる範囲で構わないので「自分がこうしたい」という思いを叶えてみてくださいね。
きっとその方が、あなたの寂しさもしんどさも、今より軽くなっていきます。