「褒められるのが苦手」なあなたへ:嬉しいはずなのに苦しくなる、裏を読んでしまう、疑ってしまう…
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
「褒められても、なぜか素直に喜べないんです」
「ありがとう」と返しているのに、心のどこかがモヤモヤしていて──
そんな相談が今、増えています。
本当は嬉しいはずの褒め言葉。
だけど、どこか信じられなかったり、警戒したり、居心地が悪くなったり、プレッシャーに感じたり…。
そんな自分に「なんで素直に受け取れないんだろう」と戸惑ったり、「私ってひねくれてるのかな」と責めてしまうこともあるかもしれません。
でもそれは、“あなたが悪い”のではありません。
今日は、そんな心の奥にある「小さな声」にそっと耳を傾けていきましょう。
嬉しくないのはおかしいこと?
よく聞かれるのは、次のような質問です。
「褒められて喜べないなんて、おかしいですよね…」
「褒められても嬉しくないのは、変ですか?」
──この質問に対する私の答えは、「いいえ」なんです。
実はこれらは、ある意味で自然な反応と言えます。
こうした感覚は決して珍しいものではありません。
とくに、子どもの頃に「認めてもらえなかった」「褒められても信じられなかった」経験を重ねてきた方ほど、大人になっても「褒め言葉」をうまく受け取れないことがあります。
例えば…
「もっと」を求められてきた場合は、
「頑張ったね」と言われるたびに、「頑張り続けなければいけない…」とプレッシャーを感じます。
褒められる機会が少なかった場合は、
褒められ慣れていないので「こんなことで?」「どうして?」と戸惑いが出ることもあります。戸惑いに近い感じです。
否定されることが多かった場合は、
「でも、まだまだでしょ?」「裏があるかも」と心の中で疑ったり、苦しくなったりしやすいです。
これらはほんの一部ですが、「褒められても喜べない」という悩みには、長年染みついた“自己否定”のクセが隠れていることが多いのです。
喜べないのは、心が傷つかないよう守っているから
嬉しいはずなのに、嬉しくない。
信じたいのに、信じられない。
その背景には、「これ以上傷つきたくない」「ぬか喜びしたくない」という心のブレーキが隠れていることがあります。
たとえば昔、喜んだあとに否定されたことがあると、心は「次もきっとそうなる」と身構えるようになります。
それが、褒め言葉を受け取る時の“違和感”として現れてしまうのです。
つまり、「褒められても嬉しくない」と感じるのは、あなたがダメだからではなく、心が一生懸命にあなたを守ろうとしている証拠。
今までよく頑張ってきたね、と、そんな自分にそっと声をかけてあげてください。
嬉しくないのがおかしいことだと思わず、「嬉しくない理由」を認めてあげてくださいね。
少しずつ「受け取る許可」を出していく
「褒められて喜べなくても大丈夫」という言葉で心が少し楽になったら、そのままでも大丈夫。
でも、「褒められて喜べるようになりたいな」と感じた時は、次のような「受け取る練習」をしてみるのもよいかもしれません。
もちろん、「嬉しい」と思えなくても大丈夫ですよ。
たとえば──
・「ありがとう」と言ってくれた相手に「そう思ってくれるんだな」と事実だけ受け取る
・褒められた内容に「そう見えてるんだね」と返してみる
・どうしても嬉しくなれないときは、「まだ、嬉しいと思えないだけ」と言葉にしてみる
最初はぎこちなくても構いません。
大切なのは、「受け取ってみよう」とするあなたの姿勢です。
褒められることが怖い、嬉しくない…
そうだとしても、そんな自分を責める必要はありません。
もしかしたらその奥には、
「本当は認めてほしかった」
「ちゃんと見ていてほしかった」
という、小さな頃からずっと伝えられなかった願いが隠れているのかもしれません。
それに気づいてあげるだけで、心は少しずつほどけていきます。
あなたが今ここにいること。
あなたが感じていること。
この記事をここまで読んでみたこと。
…それだけで、もう十分に意味があります。
素直になれない自分にやさしさを
「褒められても、素直に喜べない」
それは、心がずっと頑張ってきた証です。
今すぐ“変わろう”としなくてもかまいません。
まずは、「嬉しくなれないこともあるんだな」と、自分の気持ちを認めてあげてくださいね。
心は、一気に開くものではありません。
少しずつ、少しずつ──
そして、いつかその気持ちを、誰かと一緒に見つめ直したいと思えたときは、
どうかひとりで抱え込まずに、Pocheにも頼ってみてください。
あなたが「私のままでいいんだ」と思える日が、少しずつ増えていきますように。