私がいると空気が悪くなる気がする…:幼いころに身につけた思い込みを手放すには
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
「私が話すと、場の空気が悪くなる気がする」
「私のせいで、なんだか雰囲気が重くなるような…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
周りの人は何も気にしていないのに、なぜか自分を責めてしまったり、
「きっとこう思っているんだろうな」と、ネガティブな方に考えてしまうこともありますよね。
そんなとき、心はとてもつらく、そして苦しく感じるものです。
もしあなたが、「この感じ、わかる」と感じているなら、まずお伝えしたいことがあります。
それは、その感覚は決してあなたの「性格のせい」ではない、ということ。
むしろ、これまで周囲を大切に思い、頑張ってきたからこそ、そう感じるようになった可能性が高いのです。
幼いころの経験が与える影響
「静かにしなさい」
「みんなの迷惑になるから」
「どうしてあなたはいつも…」
「いい子にしなさい」
子どもの頃に、そんな言葉をよく耳にしていた方もいるでしょう。
これらの言葉を使うのがダメだということでは、ありません。
では、なぜ今、このようなことをお伝えしたのでしょうか。
それには、きちんとした理由があります。
それは、子どもの頃に親や先生、
大人たちの顔色をうかがいながら「周りに合わせなくては」と頑張っていた人ほど、「自分がいると迷惑になるのでは」という思い込みを持ちやすくなるからなのです。
あなたが今抱いている『思い込み』は、あなたの性格のせいではなくて、『過去の環境が生み出したもの』なのかもしれません。
厄介なのは、この思い込みは環境が変わっても『そのまま残りやすい』という点です。
そして、その思い込みはふと顔を出し、大人になったあなたを困らせたり悩ませたりします。
思い込みは人間関係にも影を落とす
「私のせいで場が重くなったかも…」
「私がいない方が、みんな楽しそう…」
子どもの頃に、大人の言葉をまっすぐ受け取って頑張ってきた人ほど、大人になっても「このような思い込み」に悩まされてしまいます。
こうして悩むのは、決して悪いことではありません。
むしろ、あなたが周りを大切に思っているからこそ生まれる、優しさの表れなのです。
ただ、自分を押し殺してばかりいると、相手との本音のやりとりが難しくなり、人間関係に疲れを感じやすくなってしまいます。
また、モヤモヤするような相手の言動にも、「私が気にしすぎなのかな」と自分を責めがちになったりと、
『自分のせいではないこと』まで『自分のせい』だと納得しようとしてしまいます。
その結果、人間関係でモヤモヤが残りやすかったり、怒りや悲しみがある日突然爆発したりしやすいのです。
思い込みから自由になるために
ネガティブな思い込みが頭をよぎった時はまず、「本当にそうかな?」と問いかけてみましょう。
「私のせいかも」という考えがよぎったとき、
少し立ち止まり、「それは本当に私のせい?」と問いかけてみてください。
幼いころの経験が影響しているだけで、今のあなたが悪いわけではありません。
そのことに気づくだけでも、心が少し軽くなるはずです。
そして出来れば、この「思いこみ」を上書きしていきましょう。
そのために、たとえば、自分の気持ちを少しだけ言葉にしてみること。
相手に「うん、そうだね」と受け止めてもらえたら、「伝えても大丈夫だった」と思える新しい経験が記憶に上書きされます。
そんな小さな積み重ねが、「私は私のままでいいんだ」という安心感へとつながっていきます。
無理のない関係を選ぶ勇気
モヤモヤが続く相手とは、少し距離を置いてもかまいません。
あなたが無理をしなくても成り立つ関係は、必ずあるからです。
自分を大切にしながら、自然体でいられる関係を選ぶことで、人間関係のストレスはぐっと減っていきます。
とはいえ、思い込みに『ひとりで気づいて手放す』のは簡単ではありません。
だからこそ、誰かと一緒に整理する時間が、とても力になります。
身近に安心して話せる人がいなければ、この場所であなたの気持ちを話してみてください。
思い込みは、気づいてすぐに手放せるものではありません。
でも、「私だけじゃなかったんだ」「少しずつでいいんだ」と思えるだけで、心はずいぶん楽になります。
「こんなことで相談してもいいのかな…」
そう思う気持ちも、もちろん自然なものです。
でも、あなたの気持ちは、誰にもジャッジされずに安心して話していいもの。
もし、誰かにそっと話してみたいと思ったら、いつでもお力になります。
あなたが、「私が悪いわけじゃない」と、少しずつ思える日が増えていきますように。
その日まで、どうか焦らず、やさしくご自身と向き合ってくださいね。