自分に自信が持てず、自分を認められずに、苦しむあなたへ
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
「自分に自信が持てない」
「自分の価値がわからない」
「自分を認められない」
このような思いを抱えていると、毎日がどこか苦しく、気持ちが重く感じられることがあります。
そこで今日は、「自分に自信が持てない」「自分が何を望んでいるのかがわからない」という感覚について、少し深掘りしてみたいと思います。
自信が持てないのは、あなたのせいではない
「自分に自信がない」という悩みを抱えていると、「もっと自信を持たなきゃ」「このままじゃダメだ」と、自分を責めてしまいがちです。
でも、そもそも「自信がない」と感じるのは、あなた自身の問題ではなく、これまでの環境や経験が影響していることが多いのです。
例えば、次のような環境の中で育つと、「自分の考えよりも、周りの期待を優先する」ことが当たり前になってしまいます。
「小さい頃から、親や先生に『あなたならできる』と言われ続けてきました。期待されるのは嬉しかったけれど、それと同時に『頑張らなきゃ』『期待を裏切ってはいけない』というプレッシャーも大きくて…。」
「子どもの頃、親から『どうしてこんなこともできないの?』と強く責められることが多かったです。今でも仕事で少し注意されるだけで『怒られた!』『私はダメだ』と落ち込んでしまい、必要以上に自分を責めてしまいます。指摘されるのが怖いです。」
「私の家庭では、親の考えが絶対だったので、自分の意見を言うこともなく、『こうすべき』に従って生きてきた感じです。そのせいか、大人になった今も自分が何をしたいのか分からなくて、『正解がわからないと不安』という気持ちが常にあります。」
「自分がどうしたいのかわからない」のはなぜ?
よく、「自分の内側に答えがある」と言われますが、「そもそも、その答えがわからない」という人もいらっしゃるのではと思います。
カウンセリングにおいても、「自分の本音がわからない」という人はとても多いのです。
でも、なぜそのようなことが起こるのか…それは、次のような3つの理由が考えられます。
1. 周りの期待に応えて生きてきたから
子どもの頃から親の期待に応えることが当たり前になっていたり、周囲の評価を気にして行動してきたりすると、「自分の本当の気持ち」よりも「周りがどう思うか」を優先する癖がつきます。
こうした経験を積み重ねるうちに、「私はどうしたい?」という感覚よりも、「どうすれば正解か?」「周りにどう思われるか?」を優先するようになります。
その結果、大人になっても「本当の自分の気持ち」がわからなくなり、選択に迷ったり、自分で決めることに不安を感じたりしてしまうのです。
次に挙げるのは、その顕著な例です。
「小さい頃から、親が決めた習い事をして、進路も親の勧める学校を選びました。自分の意見を言うよりも、親が喜ぶ選択をする方が安心だったんです。でも、大人になってから『私は本当は何をしたかったんだろう?』と考えることが増えました。やりたいことを探そうとしても、自分の気持ちがわからなくて、何を選んでも『本当にこれでいいのかな?』と不安になります。」
上記相談者の場合は、過去の自分の選択を後悔していました。
だからまずは「過去の自分も、その中でのベストを考えて選択したはず」ということを伝え、少しずつ自分のことを認められるよう肯定を続けていきました。
「親が決めた習い事をしたのが、ダメだったのではない。でも、もう自分で決めても良い」そう思えるようになった相談者は、はじめて親に言わずに自分で習い事を始めたのです。
「親に言わないのは初めてでドキドキしましたけど、これでいいんですよね。だって私もう、34歳なんですから。なんだか今は、清々しい気持ちです」と笑顔で語ってくれました。
2. 正解を求めすぎているから
「自分のしたいことがわからない」と感じる背景には、幼少期の親との関係が影響していることがあります。
たとえば、次のような事例が該当します。
「小さい頃から『ちゃんと考えなさい』『よく考えずに決めるのはダメ』と言われて育ちました。今の私は、慎重になりすぎて、『もっと良い選択があるかも』『他の人の意見を聞いた方がいいかも』と迷いすぎてしまい、なかなか決断できません。」
「子どもの頃から、何かを決めるときは親が『こっちの方がいい』『こうしなさい』と選んでいました。服や習い事、学校も全部親が決めたので、自分で選ぶ経験がほとんどありません。今でも、自分の判断に自信が持てません。」
こうした経験を重ねるうちに、「自分で決める」ことよりも、「正しい答えを選ばなければならない」というプレッシャーが強くなります。
そして、大人になっても「本当にこれでいいのか?」「間違った選択をしたくない」という気持ちが先に立ち、自分のしたいことがわからなくなってしまうのです。
3. 自分の気持ちよりも、「意味のあること」を求めてしまうから
幼少期から「役に立つことをしなさい」「何か意味のあることをしなければ価値がない」といった考え方を刷り込まれて育つと、「ただ楽しい」「ただ好き」という感覚を軽視してしまうことがあります。
たとえば…
「子どもの頃、ゲームや漫画が好きだったのですが、親から『遊んでばかりいないで勉強しなさい』『そんなことしてても意味がない』と言われ続けていました。何か趣味を持ちたいと思っても、『時間の無駄かもしれない』と考えてしまい、結局やらずに終わってしまいます。」
「学生の頃、親から『将来のためになることを』『趣味よりも資格』と言われていました。好きなことがあっても『それは役に立つの?』『仕事に繋がるの?』と聞かれるうちに、自分の興味よりも実用性を優先するようになりました。大人になった今も、これを選んだら、親はなんていうかと考えている自分が嫌になります。」
こうした経験を積み重ねるうちに、「これは意味のあることだろうか?」「役に立つことをしないといけない」と考える癖がついてしまい、目の前の「ちょっと楽しいこと」「ちょっと心地よいこと」を見つけても、「でも、これをやって何になるんだろう…?」と迷ってしまうようになります。
結果として、自分の「好き」や「やりたい」が見えにくくなり、「何が楽しいのかわからない」「何をしても満たされない」と感じてしまうのです。
あなたに楽しむ力がないのではなく、「楽しみ方をいったん奪われてしまった状態」といった方が良いかもしれません。
「自分を認める」ことは、すぐにはできなくてもいい
「自分を認める」「自信を持つ」というのは、一瞬でできることではありません。
でも、今この瞬間、「自信が持てない」「自分がどうしたいかわからない」と悩んでいるあなたは、それでも前に進もうとしているはず。その姿勢こそが、とても大切な一歩です。
もし今、「何も変えられない」と感じているとしても、大丈夫。
あなたはもう、自分と向き合うことを始めています。
焦らなくても、ゆっくりでいい。
あなたは、あなたのペースで、自分を見つけていけばいいのです。
どうか、自分に優しく、少しずつ自分を許してあげてくださいね。