みんなができることが、どうして私にはできないんだろう…「できない私には価値がない」と感じてしまうあなたへ
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
今日は、次のような思いを抱えるあなたに向けてメッセージをお届けします。
「なんで自分だけ、こんな簡単なことができないんだろう」
「みんなが普通にやってることなのに、私にはできない…」
「できるようになりたい」のに…
「やらなきゃ」「できるようにならなきゃ」と思っているのに、
いざ行動しようとすると、胸が苦しくなったり、焦りから逆に動けなくなったり、涙が出てきてしまったり―。
「結局またできなかった」
「だから私はダメなんだ」
「存在価値がないんじゃないか」
そんなふうに、自分を責めてしまうことがあるかもしれません。
あなたの事情を知らない誰かから、責められてしまうこともあるかもしれません。
でも、「やらなきゃ」と思うのに動けないのは、意志が弱いからではありません。怠けているからでもありません。
本当に意思が弱かったり怠けていることが原因なら、「こんなふうに悩むことはない」からです。
「普通」が苦しいのは、あなたが真剣に生きているから
周りがあっさりできているように見えることが、自分にはとてつもなく高いハードルに思えることがあるかもしれません。
それを越えられない自分が嫌になったり、ダメだと感じたり、落ち込むこともあるかもしれません。
でもそれこそが、「あなたが頑張っている」証拠でもあります。
「できないこと」には、ちゃんと理由があります。
たとえば、些細なことでパニックになってしまったり、やらなきゃいけないと分かっているのに手がつかなかったり…。
もしかするとそれは、“根性が足りない”わけではなく、心や体の仕組みの問題かもしれません。
・過去に「失敗=否定」と教えられてきた
・完璧を求められる環境で育った
・常に「ちゃんとしなさい」と言われていた
こうした環境で育つと、「失敗=存在の否定」のように感じてしまうことがあります。
「できるようになりたい」という前向きな気持ちの裏に、「できなかったら、私は価値がなくなる」という強い恐れがくっついてしまっている状態です。
だから、行動しようとするとその恐れが顔を出し、心がブレーキをかけてしまうのです。
「できない私にも価値がある」とは?
人の価値は、「できること」で決まるものではありません。
たとえ今日、何ひとつこなせなかったとしても、あなたという存在が持つ価値は、1ミリも減りません。
……でも、それを頭でわかっていても、心がついてこないときもありますよね。そんなに世の中は甘くない、と感じることもあるでしょう。
でも今、あなたが「現状をしんどい」と感じているのなら、「人の価値=できる・できない」という価値観があなたを苦しめているというサイン。
「できるようにならなきゃ」
「結果を出さなきゃ価値がない」
そんな思いに追い立てられる毎日が、あなたの心をどれほど疲れさせてきたか…。
きっと、あなた自身がいちばん感じているのではないでしょうか。
この苦しみから抜け出すには、“できない自分”を責め続けるのではなく、
「そう感じてしまうほど、今まで頑張ってきたんだ」と、まずは気づいてあげること。
それが、少しずつ自分を癒していく第一歩になります。
「こんな自分じゃダメだ」ではなく、
「こんなふうに思ってしまうくらい、必死に生きてきた」と受けとめることができたなら、心はだんだんと元気を取り戻します。
焦らなくて大丈夫です。
その価値観をゆるめることができるのは、あなた自身のやさしさが、あなた自身に向けられたときですから。
できないことを「そのまま」にしてみる
現状から抜け出すためには、「できないことをそのままにしておく」ことを許す練習から始めてみてください。
人は、誰かに責められているときだけでなく、自分で自分を責めているときにも強いストレス反応が起きます。
「なんでできないの」「このままじゃダメだ」と内側から自分を責め続けていると、心のエネルギーはどんどん削られていき、本来できることさえもできなくなってしまうのです。
逆に、「できなくても大丈夫だよ」と自分に許可を出せたとき、心には少しずつ余裕が生まれ、自然と「やってみようかな」という気持ちがわいてくることがあります。
そのために、たとえば次のように考えてみることができます。
・今日はできなかったけど、明日はやる気が出るかもしれない
・この課題は、私にとっては“難しいこと”なんだと認める
・「できない私」に、責めるのではなく声をかけてあげる
さらには、心の中でこうつぶやいてみるのも効果的です。
「今日もがんばって生きてたね」
「涙が出たのは、それだけ本気だったからだよ」
そうやって、「できなくても大丈夫だった」という経験を、少しずつ積み重ねていくことで、心は少しずつ「できなくても私は大丈夫」と感じられるようになっていきます。
“できるようになること”よりも、“できなくても責めずにいられること”の方が、ずっと大切な時もあるんです。
「私はこのままでも存在していていい」と思える日が、少しずつ増えていきますように。