【隠れ毒親育ち?】毒親育ちではないのに、なぜか生きづらいあなたへ
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
今日の記事は、「毒親育ちではないのに、生きづらい」と感じるあなたに向けた内容です。
- 「私ばっかり頑張っている気がする」
- 「私のせいかもしれない」
- 「どう思われるだろう?」と常に気にしてしまう
このように感じることはありますか?
いわゆる「普通」に見える家庭で育ったにもかかわらず、生きづらさを感じる人は少なくありません。
その理由の多くは、子ども時代に無意識のうちに身につけた考え方や感じ方にあります。
この記事では、その背景と向き合い方についてお伝えします。
※普通の定義は人によって違うため、「普通」という表現は扱いが難しいところがあります。ですがここでは、「毒親育ち」と区別するために、あえて「普通」という言葉を使っています。
「隠れ毒親育ち」の特徴
「隠れ毒親育ち」とは、表面上は普通の家庭で育ったように見えても、子ども時代に身につけた心の癖や考え方が大人になっても影響している人を指します。
その特徴には以下のようなものがあります。
- 自分を責める癖が抜けない
「もっと頑張らないと」「私が悪いからだ」と思ってしまう。 - 他人の評価ばかり気にしてしまう
「どう思われるだろう?」と、常に他人軸で物事を考えてしまう。 - 感情を吐き出せない
ネガティブな感情を抱え込んでしまい、人に頼ることが苦手。 - 自分を信じられない
幼少期に自分の意見や感情を否定される経験をしていると、大人になっても自己肯定感が低くなりがちです。
生きづらさの原因は子ども時代にあるかもしれない
上記に挙げたような事柄に思い当たることがあるのなら、「隠れ毒親育ち」の可能性があります。
ですがここでお伝えしたいのは、「あなたの親が毒親だ!」ということではありません。
重要なのは毒親か、毒親育ちかということではなく、「あなたがどのような影響を受けているのか」を知ることです。
自分を変えようとどれだけ頑張っても、「原因」がズレていれば解決には至らないからです。
例えば、スマホのWifiが繋がらないとき。
その原因が「Wifiルーター側の電波の問題」なのか、それとも「スマホ側のWifi設定の問題」なのか、「インターネット回線そのものがダウン」しているのか…。
その原因が分からないままに対処しようと思っても、無理があります。本当の原因が「スマホ側のWifi設定の問題」だった場合、ルーターの設定を何度見直したところでWifiはつながりません。
でも、原因が「スマホ側のWifi設定の問題」と分かれば、解決できます。
このように「悩みの原因を知ること」は、悩み解決の近道となります。
だからこそ今回の記事では、子どもの頃の家庭環境が「大人になったあなたにどう影響するのか」についてお伝えすることにしました。
子ども時代に経験したことが今も影響している
幼少期の環境や親との関係は、私たちの心の基盤をつくります。
それが一般的に「普通」と見える家庭であっても、以下のような経験が無意識に心に影響を与えることがあります。
具体例とその影響
- 親の怒りに怯える日々
親が突然怒り出すことが多く、子ども時代に「怒らせないようにしなきゃ」と気を遣っていた場合、大人になっても他人の顔色を伺う癖が抜けないことがあります。 - 親を支える「いい子」だった経験
親が忙しそう、不幸そうに見えたため、「迷惑をかけてはいけない」と我慢を覚えた子どもは、大人になっても弱音を吐けず、自分を追い込んでしまいがちです。 - 親の愚痴を聞き続けた子ども時代
親の不満や愚痴を聞くのが当たり前だった環境では、大人になってもネガティブな感情を自分で抱え込み、吐き出し方がわからなくなることがあります。 - 家庭内の夫婦喧嘩の影響
夫婦喧嘩が日常的にあった場合、不安や恐怖を感じて育った子どもは、大人になっても人を信じるのが苦手で、人間関係に悩みやすくなります。 - 親の価値観が絶対だった経験
子どもの考えや感じ方が尊重されず、親の価値観が絶対だった環境では、自分の意見や感情に自信が持てず、意見を言うのが怖くなることがあります。
生きづらさを軽くするためにできる2つのステップ
(1) 過去の経験に気づくことが第一歩
私たちの心は、幼少期に受けた影響をもとに形成されます。
子どもは大人に比べて世界の捉え方が未熟で、家庭や親の言動を「絶対的なもの」として受け止めます。
その結果、その時に身につけた考え方や感じ方が、無意識のうちに今の自分に影響を与えているのです。
例えば次のような影響があります。
- 親が厳しく、褒められることが少なかった場合
→ 「もっと頑張らないと愛されない」と感じる癖がつき、大人になっても常に努力し続けないと不安になる。 - 親の機嫌を取るために我慢を覚えた場合
→ 他人の顔色を伺うことが当たり前になり、自分の感情を押し殺してしまう。
子ども時代の経験に目を向けることで、「これは自分が悪いからではなく、環境や状況が影響していたんだ」と理解できると、次のような変化が生まれます。
(1) 自分を責める気持ちから解放される
たとえば、「自分は他人の期待に応えないと価値がない」と感じている人が、過去に親や周囲から期待を押し付けられていた経験に気づくと、「この思い込みは、自分で作ったものではなく、環境から受け取ったものだ」と思えるようになります。
すると、「自分が悪い」という考え方から少しずつ解放されていきます。
(2) 現在の行動パターンの理由がわかる
「どうしてこんなに顔色を伺ってしまうのだろう?」と思っている人が、子ども時代に親の機嫌を取ることが習慣化していたことに気づくと、その行動が「身を守るための方法」だったと理解できます。
すると、「もう今はその方法は必要ない」と気づけるきっかけになります。
(3) 過去の経験を否定しなくなる
「私の親は普通の家庭を築いてくれたはずなのに」と思ってしまう人も、過去を否定せず、「普通であることの中にも、いろいろな影響があったのだ」と受け入れることで、自分を否定することがなくなります。
(2) 他人軸から自分軸にシフトする
他人軸で生きていると、自分の感情がわからなくなることがあります。
だからこそ、「どう思われるか」よりも、「私はどう感じるか」に意識を向けてみましょう。自分の感情を大切にすることで、心の余裕が生まれます。
「私はどう感じるか」に意識を向ける第一歩は、自分の感情に気づくことです。
- 日常の場面で、自分に問いかける
- 「私はこの状況で楽しいのか?つらいのか?」
- 「これをやりたいと思っているのは誰?私?それとも他人?」
- 「相手の意見に賛成しているのは、自分の気持ちから?それとも同調するため?」
- 感情を書き出す
- その日の出来事を振り返り、「何があって、どう感じたか」をノートに書いてみましょう。書き出すことで、自分の感情がより明確になります。
そのほか、日々の小さな選択を「他人の目」ではなく、「自分がどうしたいか」に基づいて決める練習をするのも効果的です。
- 練習例:
- カフェでの注文:他人の好みに合わせず、自分が飲みたいものを選ぶ。
- 休日の過ごし方:他人に合わせる前に、自分が本当にやりたいことを考える。
- ポイント:
最初は小さな選択から始めるのが大切です。「自分の気持ちを優先することに慣れる」ことで、徐々に自分軸が育っていきます。
生きづらさは、あなたのせい「ではない」
生きづらさを感じるのは、あなたの性格や人間性に問題があるからではありません。
それは、子ども時代に身につけた「自分を守るための方法」が、今のあなたにとって重荷になっているだけなのです。
その重荷に気づき、少しずつ手放していくことができれば、もっと自由で楽な自分を見つけることができるでしょう。
あなたの生きづらさを解消する道は、今からでもきっと見つけられます。