【毒親育ちの弊害】親の価値観で生きると「自分らしさ」「ありのままの自分」が分からなくなる
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
今日は「自分らしさが分からない」と悩むあなたに向けて、メッセージをお届けします。
- 「自分らしさって何?」
- 「ありのままの自分って何?」
- 「私って、どんな人?」
このように感じたことは、誰でも一度はあるのではと思います。
年齢を重ねるごとに自分らしさが少し分かってきたのであれば、まったく問題ありません。
ですが、それとは反対に年齢を重ねるほど「自分らしさが分からない」「誰に見せている自分が本当の自分なのか分からない」「今の自分が好きになれない」と感じる人が増えています。
実は、このような悩みを抱える人には『ある共通点』があります。
それは子どもの頃、自分のことより家族(親)を優先してきたという共通点です。
子ども時代が「今」に影響を与える
ここで私がお伝えしたいのは、今のあなたに子どもの頃がどう影響しているのかという可能性についてです。
すでに親になった人や、あなたの親の子育てを批判したいのではありません。
ここから先は、すでに親になっている人も「子どもの時の自分」を思い出しながら話を読んでいただければと思います。
子育てに真剣に向き合ってきた人ほど、親の立場で聞き進めると「自分の子育ては大丈夫だろうか……」という不安の方が大きくなりますから、自分の子供時代を思い出して読んでみてくださいね。
子どもの頃の親は絶対的存在
「私はあれが欲しい!」と親に伝えた時、「ダメ。こっちにしなさい」「えー?こっちの方が良いわよ」と親の意見を一方的に押し付けられることがあります。
「あれが欲しい!」と思っても、「高いからダメだろうなぁ」「お母さんは、こっちがいいって言いそうだなぁ」と親の様子を察し、伝えることさえ我慢してきた人もいるかもしれませんね。
小さな子どもにとって親は絶対的な存在ですし、欲しいものを自分で買うお金もありませんから、親に従うしかありません。
「私はこれがしたい!」と気持ちを伝えた時に、「あなたには無理」「そんなんじゃやっていけない」と全否定されることもあります。「あなたのためを思って」と言われてしまうと、強く言い返すこともできません。
親に自分の気持ちを伝えるまでもなく「どうせ言っても無理だろうなぁ」と考えたり、「親が困るだろうなぁ」と親を気遣い、諦めることもあるでしょう。
このように、子どもは親の様子や態度から察します。
「それはダメ」「やめなさい」と直接言われなくても、親がよく思っていないことを察してしまいます。
親が深くため息をついたり、眉間にしわを寄せる様子を見れば、親が賛成していないことが分かってしまいます。
「あなたはいい子だからそんなことしないよね?」と言われるのは「するな(Don’t)」と言われているのと同じですし、「あなたにはこっちがいいと思う」と強く言われるのは「こっちにしなさい」と言われているのと同じ影響を及ぼします。
親に認めてほしいと思っていたり、親を想う優しい気持ちを持つ子ほど、「親が何を求めているのか」を敏感に察知するようになるのです。
だから、子どもの頃に「自分より親を優先してきた人」ほど、大人になった時「自分より他人優先」になります。
子どもの頃に親を優先してきたことが良くなかった、と責めているのではありません。
誰かを優先できるのは、あなたの優しさ、あなたの良いところでもありますから。
ここでお伝えしたいのは、親の言葉や態度が子どもにどれほど影響を与えるのかということ。そしてその影響が、大人になった今も続いているかもしれないという1つの可能性についてです。
長年カウンセラーとして従事しているからこそ言えるのは、あなたが思っている以上に、親の言葉や態度は大人になったあなたに影響を及ぼし続けているということなのです。
あなたは今「誰の価値観」で生きていますか?
これからいくつか質問するので、頭の中で答えを考えてみてくださいね。
- あなたは子どもの頃、何が好きでしたか?
- 何になりたかったですか?
- どんな遊びが楽しかったですか?
- 大人になった今、あなたの好きなものは何ですか?
- 何をしているときが楽しいですか?
- 10年後、あなたは何をしていたいですか?
「親は○○を嫌がったな」「親はこうなってほしいだろうなぁ」など、これらの答えを考えた時に少なからず親のことがよぎるなら、親の価値観が今のあなたに影響を与えている可能性があります。
親の価値観で生きていると、「生きづらさ」を感じます。
事実、生きづらさを感じる人のほとんどが、親の価値観を「自分の価値感」と無意識に思い込んでしまっています。
突然ですが、あなたの好きな「ファッション(洋服)」をイメージしてみてください。それとは反対に、「これは絶対着たくないな…」と思う洋服をイメージしてみてください。
……頭の中に好きな洋服と、嫌いな洋服の両方をイメージできたでしょうか?
それでは次に、絶対着たくない洋服を着て、街中を歩く様子をイメージしてみてください。
どうでしょうか?
なんだか落ち着かないですよね。
今すぐその場から逃げ出したいと思ったり、なんとも言えない居心地の悪さを感じるのではないでしょうか。
親の価値観で生きることは、これと同じような違和感のある生き方になります。
親の好きな服と自分の好きな服が「似たようなテイスト(似たような価値観)」なら困らないのですが、生きづらさを感じる人は、親とは全然違う価値観を持っていること多いです。
先ほどの例でいえば、親の好きなファッションを自分の好きなファッションだと本気で思い込んで、絶対着たくない服を着て街中を歩いているような状態です。
でも、「絶対着たくない服を着て歩いている」という事実に気が付いていないので、なぜこんなに居心地が悪いのか自分でも理解できません。
これが、「なぜか生きづらい」という感覚に繋がります。
あなたがどれだけ頑張ってもうまくいかなかったり、なんだか生きづらいと感じるのなら、それは「自分らしくない生き方」をしているから。
「自分らしさがわからない」のはあなたの性格の問題ではなく、「分からない」と感じるような過去の積み重ねがあったせいかもしれません。
自分らしい生き方を見つける
自分らしい生き方を見つけるヒントは、あなたの子ども時代にあります。
あなたはどんな色が好きで、どんな場所が好きで、どんな人が好きで、どんなものが好きだったでしょうか?
あの頃、本当は何を選びたかったでしょうか?
親があなたの意見に反対しなければ、何をしたかったでしょうか?
「好き」が見つからない時には、「嫌いなもの」から探してみましょう。
好きなものは、「嫌いなもの以外」に隠れています。
「自分らしさが分からない」と思うと焦りや不安を感じるかもしれませんが、あなたは今「分からない」という事実に気付いたともいえます。
分からないと気付けたなら、次は「自分らしさ」を見つける番です。
自分らしさがわからない、自分を好きになれないと感じた時には、「自分の性格や考え方」を疑う前に、過去の影響を疑ってみてください。
「もしかして」と思うことが、何か見つかるかもしれません。