あなたが本音を言えないのは、子どもの頃に「本音を言えなかった」から
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
突然ですがあなたは、次のように悩むことがありますか?
- 自分の気持ちを言うのが苦手
- 人に本音を言えない
- 意見を言えない
- 思っていることを言葉にできない
- 「言えばよかった」と後悔することが多い
- 「こんなことを言ったらどう言われるか」と他人の反応を気にしてしまう
上記の内容に、2つ以上あてはまったあなたにもう1つ質問します。
「そんな自分を変えたい」「こんな性格を変えたい」「なんで私はいつもこうなのだろう」と、悩むことはありますか?
今回の記事は、1つめが2つ以上当てはまったあなた。
さらには、2つめの質問の答えが「はい」のあなたにお伝えしたい内容です。
「言えない」のではなく「言わない」可能性
- 自分の気持ちを言うのが苦手
- 人に本音を言えない
- 意見を言えない
- 思っていることを言葉にできない
このように思い悩んで、カウンセリングに訪れる方がたくさんいらっしゃいます。
ですが実は、「言えない」のではなく、無意識に「言わないことを選んでいる」ケースはとても多いのです。
事実、カウンセリングに訪れる方のほとんどは、その場で私に気持ちや意見を伝えることができています。
これはつまり、自分の意見・自分の本音をちゃんと自覚できているということです。「この人なら分かってくれる」「この人なら大丈夫だ」と安心できる人が相手なら、自分の意見を言える人がほとんどなのです。
そのような「実はできる人たち」が、なぜ「できない」と悩んでしまうのか……それには理由があります。
たとえば、次のような思いを抱えていると「意見や本音を言うこと」にブレーキがかかりやすいのです。
「意見を言わない方がいい」
「本音を言わない方がいい」
「言っても無駄だ」
「嫌なことを言われるかもしれない」
「反論されるかもしれない」
「否定されるかもしれない」
誰かに意見や本音を言おうとした時に、このようなことが頭をよぎることがありますか?
この答えが「はい」なら、意見や本音を言えないのは「言わない方がいい」と思わせる過去の何かが原因です。
過去が「言わない方がいい」というブレーキをかける
「言わない方がいい」と思わせる過去の原因はいくつか考えられますが、今回はその中でも「親子関係」の可能性についてお伝えします。
次に挙げる10この事柄に2つ以上「はい」がある場合には、過去の親子関係が「言わない方がいい」というブレーキにつながっている可能性があります。
- 子どもの頃、親にあまり自分の気持ちを話せなかった。
- 子どもの頃、「親は私のことなんてどうでもいいのでは」と思うことがあった。
- 子どもの頃、親が忙しくて自分の話を聞いてもらえなかった。
- 子どもの頃、「いいこ」と褒められることが多かった。
- 親の意見を押し付けられたように感じたことがある。
- 親が賛成しないことは、「やってはいけない」「できない」と思う。
- 親は、「私のことをわかっていない」と感じる。
- 「親が自分の絶対的理解者」とは思えない。
- 自分の意見や気持ちを伝えた時に、否定的な反応が返ってきた。
- 親に本音を言うのが怖い。
いかがでしょうか。
親に余裕がなかったり、忙しかったり、子どもの気持ちを考えられなかったり……
このような経験が繰り返されると、子どもは次第に自分の意見や本音を言うことを諦めるようになります。
※なぜ親子関係が影響を及ぼすかについて詳しくは、書籍『もしかして、うちの親って毒親』をご参照ください。
過去にどのような経験を積み重ねたのか
自分の意見を言えるようになるためには、「意見を言うのは良いことだ」と思うような経験の積み重ねが必要です。
意見を言った時に「言ってよかった」と思える過去の経験が、大人になった時に「意見を言ってもいい」という自信と安心を生み出します。
「言ってよかった」という経験は、親とのやり取りの中で得られます。
自分の意見を言った時に、親が「それはいいね」「なるほど」と受け止め肯定してくれれば、「言ってよかった」と思えます。
でも、それとは反対に、親から「それはおかしい」「変なの」「そんなんじゃダメ」と否定されてしまうと、「言わなければよかった」と脳にインプットされます。
否定されて傷ついた過去のせいで、「意見を言うこと」「本音を言うこと」にブレーキがかかります。言ったら傷つくかもしれないと、警戒するからです。
だから、無意識に「言わない」を選びます。言わなければ、傷つかずに済むからです。
本音を言うための環境
意見や本音を言うことにブレーキをかけるのは、「過去に言われた言葉」だけではありません。
その当時の家庭環境も、言葉と同様に影響を及ぼします。
親が忙しかった、両親が不仲だった、兄弟姉妹のことで手一杯だった、親がいつも不機嫌だった……。
このように、そもそも自分の意見を伝えられるような家庭環境ではなかったということがあります。
親に話を聞いてもらうには、親側にも余裕が必要だからです。
親に余裕がないと分かれば、遠慮して話せなくなります。話を聞いてほしいけれど、「聞いてもらえない」というジレンマに苦しむこともあります。
優しくて責任感のある子ほど、「我慢すること」を選びます。
このように過去の親子関係のあり方が影響して、「自分の本音は言わない」「自分の意見は言わない」ということを無意識に選択することがあるのです。
ここで言いたいのは、「子どもの頃のあなたが悪い」ということではありません。
あなたは当時、そうするしかなかったはずです。話を聞いてほしくても、聞いてもらえるような状況ではなかったはずです。自分の本音を言ったとしても、受け入れてもらえないとわかっていれば、言おうと思えなくて当然です。
あなたはあなたなりに、その家で自分の心を守ってきたはずなのです。
「言えない」自分を責めないこと
過去の影響とは少し話がそれますが、あなたが意見を言えないのは「相手の問題」ということもあります。
これまでの人生を振り返った時に「意見を言えた人がいる」「本音を話せる人もいた」のなら、あなたは「言える人」です。
言わない方がいいと思うような人が相手なら、「言わなくて正解だ」と自分の選択を肯定してあげてください。「なぜ言えないのか」と自分を責めず、「それでいい。その方がいい」と自分の選択を後押ししてあげてください。
「わかる」と思うことがあったなら
この記事を読みながら、ほんの少しでも思い当たるところがあったのなら、あなたが本音や意見を言えない理由は過去のある可能性が高いです。
言えないのは、あなたのせいではありません。
あなたの性格のせいでもなければ、努力が足りないせいでもありません。
過去の嫌な経験が、「言わない方がいい」と無意識にブレーキをかけているだけです。
過去の出来事のせいで「言わない方がいい」を選んでいる場合には、何が原因となっているのかを知ることが大切です。
誰の「どんな言葉」が影響を与えているのかが分かれば、「言えない」自分を責めることはなくなります。状況によって、「言う」「言わない」を自由自在に選べるようになっていきます。
あなたは意見を「言えない」のではなく、過去の影響から「言わないことを選んでいるだけ」なのかもしれません。
まずはこの可能性について、信じてみてください。
「これまで頑張っても何も変わらなかった」「頑張ってもうまくいかなかった」のだとしたら、原因は「あなた以外」にあります。
だからもうこれ以上、自分を責めたり追い込んだり、変えようと頑張らなくて大丈夫です。
その原因が他者なのか、過去の原因なのか……自分以外の原因についても疑ってみてください。
この一歩は、あなたが今抱えている生きづらさや悩みから抜け出す、大きな一歩になるはずです。