『親を許さなくていい理由』毒親にされたこと、言われたこと、これからのこと
こんにちは。
心理カウンセラーのPocheです。
今日の記事は、毒親を許すべきかどうかについて。
この点については、カウンセラーによって見解が大きく分かれるところです。
ここから先は『Pocheの考え方』としてお伝えしていきます。
結論を先にお伝えすると私は、『許さなくてもいい』と考えています。
すでに別の心療内科やカウンセリングに通われている方は、その点ご了承いただいたうえで読み進めて頂ければと思います。
(「許さなければいけない」「許すためにどうしていくか」が治療方針のカウンセリングに通っている場合、どうすればいいか分からなくなってしまうケースがあります)
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毒親を『許さなきゃ』と思ってしまう理由
- 親子は仲よくすべき。
- 親子は助け合うべき
- 子どもは親を敬うべき。
- 子どもは親を助けるべき。
保育園、小学校、中学校…。
私たちは、子どもの頃から「親と子はこうあるべき」という理想像を植え付けられています。
親は子供に見返りを求めることなく、無条件に愛し、大切にする。
子どもは親の愛情を受けて育ち、成人し、親が高齢になれば支える。
でもこれは、一般論です。
親が「毒親だった場合」は、想定されていません。
子どもに見返りを求めないのが、『親』。
子どもに愛を与えようと思うのが、『親』です。
一方、子どもに見返りばかり求めるのが『毒親』。
子どもから愛を与えてもらおうと思うのが、『毒親』です。
毒親は、理想と真逆のものを子供に与え続けます。
このような家庭で育った子どもに、みんなのように『親を愛せ』『親を大切にしろ』と求めるのは残酷です。
毒親は「分かりにくい」
毒親を持つ子どもの辛さが理解されにくいのは、毒親かどうか傍目には分かりにくいからでしょう。
しかも子どもは、親の意向に沿うように一生懸命努力するので『とても良い親子』に見えます。
毒親だと分からないどころか、他の人からは『良い人』『理想の親』に見えていることも多いのが現実です。
なぜそのようなことが起こるのか。
それは毒親が、子どもの心を支配するからです。
なかには体罰をふるう親もいますが、『賢い毒親』は見えない部分に傷をつけます。
心です。
言葉で子どもを攻撃し、その子の自尊心を打ち砕き、自信を失わせ、心に深いダメージを負わせるのです。
子どもが家庭を選べないのをいいことに、何年もかけてゆっくりと子どもに恐怖を植え付けていきます。
- 親を怒らせてはいけない
- 親の言う通りにしなければいけない
- 親の言うことを聞かないのは、ダメな子だ
体罰と違って、心の傷は見えません。
見えないから、周りの友達も大人も気がつきません。
子ども自身も「自分がおかしいのだろうか」「これが普通なのだろうか」と疑問を抱えながらも、その家で生きていくしかありません。
「助けてもらうべきなのかどうか」さえ分からないまま生きて、そのまま大人になってしまうのです。
毒親は「悪人ではない」ことも多い
- それなりの生活はさせてもらった。
- 不自由なく学校に通わせてもらった。
- 特に体罰を受けたわけではない。
- 楽しく話せるときもある。
- 優しい時もある。
このような理由から、「毒親」という言葉を使うことに抵抗がある方もいらっしゃいます。
それはそれで構いません。
この記事では分かりやすくするために『毒親』という言葉を使用していますが、親をどう呼ぶのかはあなたの自由。
大切なのは「親が毒親か」という事実ではなく、「あなたが今苦しんでいるかどうか」なのです。
- 私よりもっとひどい環境で生きている子供がいる。
- もっとひどい親もいる。
- これくらいで文句を言っているなんて…
このように感じる方もいるでしょう。
だけど、毒親かどうか判断するときには「誰かと比べない」ようにしてください。
子どもを捨てる親、障害が残るほど体罰を与える親、食事を与えない親・・・挙げだしたらきりがありません。
そのような親と比べて、「マシかどうか」なんて判断基準を持たないでください。
あなたが苦しいなら、苦しいんです。
あなたが辛いのなら、辛いんです。
あなたがどう感じたのかで判断してください。
あなたの身に起こっていることだから、他の誰かと比べる必要はないのです。
親に感謝することと、「された嫌な事」「投げつけられた嫌な言葉」を許すのは別問題です。
「それはそれ、これはこれ」でいいのです。
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『親を許せ』と勧める人たち
これまでの私の経験上、「親を許した方がいい」と勧める人が圧倒的に多いように感じています。
心療内科やカウンセリングの場においても、親を許すように勧めるカウンセラーの方が多いです。
- 親のことをいつまでも恨んでいたら、前に進めないと言われた
- 親を許せた時が、あなたが成長したときと言われた
- もう大人なのだから、過去のことは許した方がいいと言われた
- いつまでも過去にしがみついていないで、忘れてしまった方がいいと言われた
- 「人は許し、許されて生きているのですよ」と諭された
- 自分も人から許されたいのなら「許しましょう」と言われた
カウンセリングの場においても、SNSの場においても、実際にこのような事を言われて悩んでいる方が非常に多いように感じます。
これらのアドバイスを受けて悩み苦しんでいる方に、私がお伝えしたいのはただ1つ。
まだ許せなくていいし、
まだ恨んでいてもいい。
いつまでも親を恨んでいたら前に進めないなんてことは、本人が一番よくわかっているはずです。
毎日親の顔を思い出し、嫌な言葉を思い出し、心の中が嫌なものでいっぱいになる…好きで恨み続けているわけがありません。
過去のことを許した方がいいなんて、言われなくても分かっています。
「全部忘れてしまえたらどんなに楽だろう」と思っているのは、医師でもカウンセラーでもなく「本人」なのです。
さらに毒親の元で育った子どもは、「十分に親を許して」生きてきました。
自分の心を犠牲にしてまで親を許してきた子どもに、これ以上何をどう許せと言うのでしょうか。
許すも許さないも、あなたの自由です。
まだ許せないなら、許せないでいいじゃないですか。
あなたが感じ、これまで受けたことは、あなたにしか分からないのですから。
もしあなたが許したいと思うなら、許せるようになった時に許せばいいのです。
他人に言われたからといって、許す必要はありません。
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『許す』『許さない』を意識しなくなる
冒頭で私は、『親を許しても許さなくてもいい』とお伝えしました。
最終的に、『許すも許さないも、どうでもよくなる』のがベストだと考えています。
毒親の呪縛から抜け出すゴールは、毒親を意識しなくなることです。
何かあるたび、親の怖い顔や悲しんだ顔が頭に浮かぶ。
失敗するたび、「やっぱりダメね!」「ほらみたことか」と親の声が聞こえる。
このような状況がだんだん減り、最終的には「ほとんど思い出さなくなる」のが、最終目標だと思っています。
何十年と支配されてきた考えですから、完全に消えることはおそらくありません。
ふとした時に、思い出すこともあるでしょう。
でもその時に、「ああ、そんなこともあったな」「もう、どうでもいいけれど」と思えるようになってほしいのです。
大丈夫です。
叶います。
実際に乗り越えた人や、乗り越えようとしている人をたくさんみてきたからこそ、断言できます。
許す・許さないを意識している間は、毒親の問題が色濃く残っています。抜け出せていません。
「親を許す」「許さなきゃ」と思っている時点で、親のことを意識してしまっているからです。
だからこそ私は、「許すかどうか」にこだわらないカウンセリングを行います。
カウンセリングの過程で「気が付いたら許せるようになった」という方もいらっしゃいますが、そもそも許せないことが起こっているので、許さなくていいと思っています。
許すも許さないも、あなたの自由です。
それよりも大切なのは「許せないと思っている自分を許すこと」です。
「許せ」「許さなきゃ」という世間のプレッシャーを捨てて、許せない自分を認めてあげてください。それでいいよと認めてあげてください。
許せない自分を責めている間は、いつまでたっても抜け出せません。
子どもの頃に出すことが許されなかった「本当の気持ち」に気が付き、怖がることなくそれを出し切ってみる。
これまでたくさん我慢してきたあなたが、毒親の呪縛から抜け出すために大切なのは『自分が感じていることをそのまま受け止める』ことなのです。
そしてその気持ちをどう処理し、どう向き合っていくのかを考えていくことで、毒親から抜け出すことができます。
- 「こんなこと思っていいのかな?」
- 「これって毒親…なのかな?」
- 「罪悪感、どうしたらいい?」
誰にも相談できない悩みを抱えているのなら、一度相談してみませんか?
下記のフォームよりメールカウンセリングを受け付けています。
『毒親から抜け出すきっかけ』になれば嬉しいです。
Poche
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