「なんであの人にあんなにイライラするんだろう?」と疑問に感じるあなたへ 〜抑圧
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
あなたにはなぜかイライラする人、なんか苦手な人、どうしても嫌いな人がいますか?
イライラしても、苦手でも嫌いでもいいのですが、このような気持ちを抑えるのは大変ですし、何よりあなた自身が疲れてしまいますよね。
できればイライラしたくない、と思う人がほとんどなのではと思います。
そこで今日は、「なんであの人にあんなにイライラするんだろう?」「なんであの人のことが、あんなに苦手なんだろう」と考え込んでしまっているあなたに向けてお話をさせていただければと思います。
「なんで」の部分がわかると、今よりちょっぴりイライラしなくなったり、嫌だ・苦手だと感じる自分を責めずに済むようになりますよ。
どうしてもイライラする原因は、状況や性格、生い立ちによっても違います。
だから100人いれば、100通り以上の原因があります。
今回は、その中でも特に多い原因を1つピックアップしてお話しします。
この原因に当てはまらない方もいるとは思いますが、それ以外の原因についてはまた別の機会にお話しさせていただければと思います。
「抑圧」がきっかけになる
今回お話しするのは、ジグムント・フロイトの精神分析の概念で知られている「防衛規制」の1つ、抑圧について。
防衛機制というとなんだか難しそうに聞こえますが、不安や恐怖から自分の心を守ろうをする働きのことです。自分を守るための無意識の行動だと思っていただければと思います。
実はこの防衛機制の1つである「抑圧」が、誰かへのイライラや苦手意識につながることがあるんです。抑圧というのは、自分の中にある認めたくない感情を無意識の中に閉じ込めること。
たとえば「もっと甘えたい」「誰かに頼りたい」「助けてほしい」という感情を抑圧していると、それを平気でしている相手にイライラすることがあります。
上手に甘えている誰かに無性に腹が立ったり、すぐ誰かに頼る人にイライラしたり、助けてもらってばかりの人にずるい!と感じたりします。
あなたが我慢して頑張っている時に、それを平然とやっている相手が目の前にいるからイライラしてしまう、というわけです。
自分がテスト勉強で必死になっている時に目の前でゲームをされたり、ダイエット中に目の前でスイーツを食べられるような状況です。
ではこの抑圧によるイライラをどう解消していけばいいのか…ということですが、まずは何にイライラしているのかを自分自身で気づくことです。
何にイライラしているのかを見つける
ここでは、何にイライラしているのかを見つけるための方法を1つご紹介しますね。
はじめに、イライラする人について書き出してみます。
たとえば同期のA子さんについて、イライラしていたとしましょう。
A子さんは、困った時にすぐ人に助けてもらっていて、そのことにあなたはムカムカしていたとします。
まずはこの場合の主語「A子さん」を、「私」に置き換えます。
さらには「してみたい」という文章も追加します。
元々の文章は「A子さんは、困ったことがあるとすぐ人に助けてもらっている」です。
主語を「私」に変えて、「したい」を追加すると、次のようになります。
私は困った時に、
すぐ人に助けてもらいたい。
…いかがでしょうか?
この方法で文章を書き換えてみた時に、「自分のやってみたいこと」「自分が本当はしてみたいこと」が見つかることがあります。
※抑圧によるイライラではない場合は「自分のやってみたいこと」ではないことも。これも自分自身についての発見の1つです!
先ほどの例文だと、本当は私も困った時に助けてもらいたい!という本音が見つかるかもしれません。
この場合、A子さんにイライラしていた理由は「A子さんが自分が我慢していることをやっていたから」かもしれないということです。
これはダイエット中で大好きなスイーツを我慢している時に、A子さんに目の前でぱくぱくスイーツを食べられているような状況です。
本音を見つけたところで現実は何も変わらないと思われるかもしれませんが、人にとって「よくわからないこと」はストレスになります。
だからこのような事実に気がつくだけでも、イライラする頻度が減ることがあるのです。
ただし…!
イライラの原因全てが抑圧によるものだとは限りません。
特に、過去の家庭環境の影響により自責傾向が強い人ほど「自分を責めてしまいがち」です。
「自分の心の問題でイライラしているのだ」と落ち込んだり、「相手じゃなくて自分が悪いのか…」なんて自分を責めることはしないでおきましょうね。
ここでお伝えしたいのは「イライラする原因の可能性の1つ」について。
あなたが良いとか悪いとか、誰が良いとか悪いということではありません。
今回お伝えした理由以外にも、「ただ単にシンプルに苦手なだけ」ということもあります。
どれだけ考えても特に理由が見つからないこともあります。
嫌いな食べ物に理由があることもあれば、理由がないこともあるのと一緒です。
「なんだか嫌い」「なんか苦手」ということが、人にも起こりうるのです。
だからこそ「自分の側の原因」を探しすぎないこと。
「なんかわかんないけど、苦手」とそのままの感情を受け止めたり、「苦手は、苦手。理由なんてなくてもいいし、大丈夫」と自分を否定しないことが何より大切ですから。
※もっと詳しく知りたいと思われた方は、ダイヤモンド社より発売されている『あなたはもう、自分のために生きていい』がお役に立てるのではと思います。