「忘れたいのに思い出す…」「あの時の言葉」が忘れられないあなたへ:心を軽くするための考え方
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
「なんで、あのとき言い返せなかったんだろう…」
「どうして、あんなこと言われなきゃいけなかったんだろう…」
何年経っても、ある人の言葉が心に刺さったまま、思い出すたびに苦しくなることがあります。
「気にしないようになりたい」「前に進めていないのでは」と悩まれる方は多いのですが、傷ついた言葉を何度も思い出してしまうのはそれだけ あなたがその瞬間を大切に生きていたから。
気になるほどのことがあって、今こうして悩んでいるあなたがこの記事を読んでくれているのなら、「前に進めている」と思っていいです。安心してくださいね。
「忘れたいのに思い出してしまう…」のはなぜ?
「もう忘れたいのに、何度も考えてしまう…」
「考えても仕方ないのに、考え続けてしまう…」
このように、つらい記憶ほど何度も思い出してしまうのには、いくつか理由があります。
「あの時、こう言えばよかった」と脳がシミュレーションを繰り返す
過去はどんなに考えても変えられません。
でも、だからこそ人は、「次に同じことが起きたときに備えるため」に、何度も過去を振り返ります。
つまり、過去について繰り返し悩むのは、あなたが「ちゃんと向き合おうとしている」証拠でもあります。
後悔するのは、「本当はこうしたかった」と考えられる誠実な心を持っているからなのです。
「あのときの悔しさ」が心の中で未解決のまま残っている
言えなかった言葉や、伝えられなかった気持ちが心の奥に残り、「あの時、何かできたはず」と自分を責めてしまうことがあるかもしれません。
でも、「言えなかった=ダメなこと」ではなく、そのときのあなたにとって 最善の対応 だったと考えることもできます。
心に悔しさが残るのは、それだけ「自分の気持ちを大切にしたい」と思っているから。
あなたの中に「本当の思いを伝えたい」という大切な気持ちがあるからこそ、何度も思い出してしまうのです。
「あんなことを言われる私が悪いのでは?」と自分を責めてしまう
「私が悪いのかも…」と考えてしまうのは、それだけあなたが真っ直ぐだったり、優しい人だから。
でも、人の言葉は相手の問題であり、あなたのせいではありません。どんな事情があるにせよ、言葉を選ぶのは相手の責任だからです。
もし、あなたの大切な人が同じ言葉をかけられて落ち込んでいたら、どう声をかけますか?
「あなたが悪いんじゃないよ」「そんなふうに言われるなんてつらかったね」と、そっと寄り添うのではないでしょうか。
その言葉を、どうか 今のあなた自身にもかけてあげてくださいね。
「言い返せなかった」自分を責めないで
「その場で言い返せばよかったのに…」と後悔してしまうこと、ありますよね。
でも実は、 「そのときのあなたにとって、それが最善だった」 かもしれません。
たとえば、こんな相談がありました。
ある日、職場で上司に理不尽な指摘をされたAさん。
「とっさのことで頭が真っ白になり、何も言い返せず、悔しい思いをしました。後になって、あのとき、『それは違います』とちゃんと言えれば…と思い出しては、自分にも上司にも怒りが湧いてくる。この感情を一体、どう処理すればいいのか…」
Aさんは、その場で言い返せなかったのは、『驚きやショックで思考が止まってしまったから』だと感じ、そんな自分を責めてしまっていました。
…でも、言い返せなかった理由はそれだけではありません。
「ここで言い返したら、さらに状況が悪化する」「言い返しても、意味がない」と、無意識に自分を守ろうとした結果 でもありました。
つまり「言い返せなかった」のではなく、実は「言い返さない方がいいと判断していた」かもしれないのです。
そのことをAさんに伝えると、「確かにそうかもしれない」と納得した様子でした。
「上司は人の話を聞き入れるタイプではないですし、私が言い返したところで、ますますヒートアップして私を罵倒したでしょう。言い返せないことを悔やんでいましたが、言い返したところで、結局いい結果にはならなかった気がします。私は言えなかったんじゃなくて、言わなかった。そうするしかなかった。そう思うと、少し気持ちがラクですね。」
ーAさん
こうしてAさんは、少しずつ「言えなかった後悔」から解放されていきました。
その言葉は「今のあなた」に必要?
傷ついた言葉を思い出してしまうのは、それだけあなたが真剣に生きてきた証です。
もし、思い出すたびに苦しくなったら、そっと自分に問いかけてみてください。
「今の私に、この言葉は必要だろうか?」
「大切な人が同じことで悩んでいたら、どう声をかけるだろう?」
あなたは決して、あのときの言葉に縛られる必要はありません。相談者Aさんのように「誰かに聞いてもらう」だけで、気持ちが整理されてラクになれることもあります。
そして何より、『今のあなた』が、その言葉を持ち続ける必要があるのか、一度考えてみてくださいね。
少しずつ、過去の記憶との向き合い方を変えながら、今のあなたの心を大切にしてくださいね。