【子どもが苦しむ親】言うことがコロコロ変わる親 ~頑張れば頑張るほど混乱する子ども

こんにちは。心理カウンセラーPocheです。

今日は、機嫌に左右される「言うことがコロコロ変わる親」についてお伝えしていきます。

 

このタイプの親は、以前お伝えした「かまいすぎて子どもを窒息させる親」と「愛情を支配する道具として使いこなす親」の両方の特長を備えています。

 

  • 子どもにベッタリ密着したかと思うと、急に冷たくなる。
  • 酷い言葉を投げかけたと思ったら、何事もなかったかのように優しくされる。親を悪く言うことに、罪悪感を持つ。
  • 厳しく叱った後で、急に子どもの機嫌を取るようなことをする。子どもは混乱する。

 

このように、子どもに求めるものや言うことが親の機嫌によってコロコロ変わります。

多くの場合、親自身このことに気がついていませんが、「悪気がないからいいのか」といえば、そうではありません。

むしろ、無意識だから厄介なのです。

 

いつ親が不機嫌になるか分からないから、子どもは常に緊張しています。

家の中でさえ心が休まりません。

 

でも、このタイプの親は、子どもがどのような思いで過ごしているかなど気にしません。

彼らが関心を示すのは、自分の気持ちだからです。自分が気持ちよく過ごせることが、いちばん大切なのです。

 

言うことがコロコロ変わる親とは 〜5つの特徴

このタイプの親には、5つの特長があります。

ただし、5つ全てが当てはまるわけではなく、どれか1つが当てはまる、もしくは複数当てはまることもあります。

 

1.子どもの心を混乱させるのが得意

このタイプの親に育てられる一番の弊害は、子どもの心が混乱する事です。

何を言い出すか予測がつかないので、子どもは常に緊張しています。親がいつ怒りだすのか分からない緊張感の中で、生活しています。

 

それが当たり前になっているので、大人になっても常に緊張しています。

それが当たり前なので、本人はそのことさえ気がついていないこともあります。

 

子どもにとって「家庭」は世界の縮図。

だからこそこのような親を持つ場合、他人にも警戒心が働きます。

警戒心が働くと、交感神経の働きが高まります。交感神経には筋肉を緊張させる働きがあるため、警戒状態が続けば筋疲労を招き、その結果として痛みが生じます。

 

実際にカウンセリングでお話を伺っていると、大人になった今も緊張が取れず、肩こり・背中の張りが慢性化していてガチガチ……という人はとても多いのです。

「肩が凝りやすくて」「頭痛持ちで」と訴える方で、このような親を持つケースは珍しくありません。

 

2.正反対のことを同時に指示する

  • 「宿題をしろ」「もっと手伝え」
  • 「子どもらしく遊べ」「もっと勉強しろ」
  • 「早く自立しろ」「親を見捨てるな」
  • 「早く結婚しろ」「相手は慎重に選べ」

 

このように、正反対のことを同時に指示することがあります。

正反対の指示なので、当然のことながら両方叶えることはできません。

だから、どれだけ頑張ってもうまくいきません。頑張っても認めてもらえなかったり、頑張っても怒られてしまったりして、子どもは自信をなくしていきます。

 

過去を思い出して「あの時、ああしておけば」「あの時に、こうすればよかった」と、悔やまれることがあるかもしれません。

でも、当時のあなたは、当時できるベストを尽くしたはずです。

今あなたがこうして悩んでいるように、当時のあなたもたくさん考えて悩んで行動したはずです。だから、過去の自分の選択は「それでよかった」「あの時はそうするしかなかった」と認めてあげてください。

 

その責任は、子どもの頃のあなたではなく、正解のない指示をした親にあります。

このタイプの親の場合は、あなたがどちらを選んでも、どちらも選ばなくても、なんとかして両方叶えても満足しません。その時の気分次第だからです。

だから、当時のあなたは全く悪くありません。まずはそのことを信じてあげてください。

 

3.言動が急変する

言っていることが急に変わるのも、このタイプの親の特長です。

「さっさと勉強しなさい!」と大声で怒鳴ったかと思うと、1時間後にニコニコしながら部屋にやってきて「もういいからお友達の家で遊んでおいで」ということがあります。

ある時には、「アンタはダメな子!」と人格を否定するようなことを言っておきながら、人前では褒めることもあります。

機嫌のいい時には、「さすが私の子」「あなたなら出来ると信じてた」と真逆のことを言うこともあります。

 

このようなことが続くと、子どもは常に親の顔色をうかがうようになります。

親の機嫌次第で、かけられる言葉、親の態度がコロコロ変わるからです。その家で生きていくために、自分の身を守るために、親の様子を気にするようになります。

 

この習慣は、大人になった時「他者」に対して同様に働きます。

親の顔色を伺ってきたように、親の様子を察してきたように……他者の顔色や様子が気になりすぎてしまうのです。

そのせいで人間関係に疲れやすくなります。

 

4.一貫性がない

このタイプの親は、一貫性のある「しつけ」を行えないことがあります。

言うことがコロコロ変わり、ルールが変化するからです。

 

ある時にはひどく罵られ叱られたのに、またある時は全く怒られないこともあります。

怒った後に優しくされることもあれば、怒った後に口をきいてくれないこともあります。

 

だから、子どもは戸惑います。

何が悪かったのか、何をどうすれば良かったのか、何を頑張れば良かったのかが分からないからです。

 

その結果、「自分が悪い」に行き着きます。

親が怒ったのも、無視するのも、優しくしてくれないのも、ひどいことを言われたのも……「自分のせいだ」と思うことで納得しようとしてしまいます。

そうしなければ、その家でやっていけないからです。

 

そのせいで、大人になった時に心から人を信頼できなくなります。

大切な人が自分から離れていく不安、いつか嫌われてしまうかもしれないという、ハッキリしない不安と恐怖に縛られてしまいます。

 

 

5.子どもはルール絶対、親はルール無視OK

子どもが、自分のルールに従わないと怒ります。

でも、自分は「別」です。

子どもはルールを守らないけないけれど、自分は守らなくても良いと思っています。そこに何の疑問も持ちません。

 

「どうしてお母さんはルールを守らなくても良いの?」という子供の質問に対し、怒りを爆発させたり、訳の分からない理由を並べて納得させようとします。

 

さらに厄介なのは、このルールが一貫していないことです。このタイプの親は、自分の感情や機嫌で家のルールをコロコロ変えてしまいます。

その時の親の気分が、その家のルールなのです。

 

だから子どもは、どれだけ頑張っても親を満足させることができません。どれだけ気をつけても、怒られてしまいます。このタイプの親の要求を100%満たすのは不可能なのです。

それは決して子どものせいではないのですが、それに気付けず自分を責めたり落ち込んだり、自信をなくしたりしてしまいます。

 

このタイプの親に育てられると…

このような親に育てられると、大人になった時に次のような悩みを抱えやすくなります。

 

  • 自分や他人の感情が、よく分からない
  • 警戒心が過剰になる
  • 危険のないことにギクッとする
  • 常に緊張している
  • 肩や背中がガチガチに凝っている
  • 他人への信頼感を持てない
  • 心の休まる暇がない

 

 

親が植え付ける罪悪感

このタイプの親は、子どもに罪悪感を植え付けます。

 

例えば…

「お母さんのことは気にしなくていいよ」と言いながら、子どもが友達と楽しそうに遊んでいると、傷ついたような態度をとったり、不機嫌になることがあります。

すると、子どもは戸惑います。

「気にしなくていい」と言われたのに、親の「本当は私を気にしてほしい」という裏のメッセージを感じ取るからです。

 

そのほか、「そろそろ自立しなさい」と言いながら、子どもが自立することを喜べない親もいます。

「私のことなんてもうどうでもいいのね」「お母さんも1人で生きていく準備をしないとね…」などと、子どもが罪悪感を持つような言葉を投げかけます。「あなたにはまだ早い」「あなたにできるの?」と否定的な言葉を投げかけ、自信を失わせることもあります。

すると、子どもは戸惑います。

「自立しろ」というメッセージと、「傍にいて私を支えろ」という真逆の2つのメッセージを投げかけられるからです。

 

このタイプの親に育てられると、結婚しても親から離れられません。

親は、いつまでたっても子どもを支配しコントロールしようとします。

子どもがコントロールできないと分かると、孫や夫を使ってコントロールしようとすることもあります。

 

厄介なのは、親に従っても従わなくても、罪悪感を植え付けられるという点です。

 

  • 親と程よい距離を保ちたいのに、罪悪感が大きくて出来ない。
  • 親と一緒にいるのが、しんどい。
  • 親を嫌いだと思う自分が、嫌だ。
  • 親が好きなのに、なぜか一緒にいるのがつらい。

 

これらはすべて、「ダメなこと」ではありません。

親と距離をとること、親と一緒にいる時間を減らすこと親を嫌いだと思うこと、親と離れること……これらはすべて「あなたの気持ちに従って行ってよいこと」です。

本来なら、罪悪感を持つ必要はありません。親に否定されたり、批判されるようなことでもありません。

 

でもこのタイプの親を持つと、「これらがダメなこと」だと思わされてしまいます。

子どもの頃からそのようにして育てられてきたからです。

※もしもあなたにこのような悩みがあれば、書籍『もしかしてうちの親って、毒親?』がお役に立てるはずです。親の傾向さえ分かれば、あなたの心を守る方法も見つかります。

 

毒親に関する書籍やSNSの発信の多くは「毒親なら絶縁するべき」「親と対決するべき「親を許すべき」と書かれていますが、このタイプの親の場合にはそのようなことをしなくても上手くいく可能性があります。

親と離れられないとしても、親と対決しなくても、親を許せないとしても問題ありません。

 

あなたが「自分のせいだ」と思っていたことの中に、「あなたのせいではなかったこと」があるはずです。

親が「あなたのせいだ」と思わせていただけで、「実はあなたのせいではなかったこと」もあるはずです。

それらが見つかり、自分を責めることがなくなるだけでも、今感じている生きづらさやしんどさは軽減されるはずです。

 

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