毒親=母親だけ?父親は毒親にはならないの?〜いいお父さんに見えるからこその葛藤

こんにちは。

心理カウンセラーPocheです。

 

今日のブログテーマは、「毒親は、母親だけなのか。父親は無関係なのか」ということについて。

詳しくお話しするとものすご〜く長くなってしまうので、今回は「父親は関係しているのかどうか」についてだけお伝えしていきますね。

 

 

ここでいう毒親というのは、子どもにとって毒となる影響を与える親のことです。

虐待やネグレクトといった目に見える影響だけではなく、過干渉やコントロールといった心理的な影響を与える親も含みます。

 

親から酷いことをされたり、酷いことを言われた子どもだけが苦しむわけではありません。普通の生活をさせてもらっていても、楽しい思い出があっても、親との心理的距離が近すぎることで「離れられない」と苦しむことがあるのです。いわゆる共依存状態に陥ることもあります。

 

毒親というと母親をイメージする人が多いとは思いますが、毒親という言葉が必ずしも母親だけを指すわけではありません。

毒親=母親を指すことが多いのは、一般的な家庭環境において「子どもと一番接する時間が長いのが母親」というケースが圧倒的に多いからなのです。

 

 

Poche

 

思考や人間関係のベースは、6歳頃までに作られると言われています。

生まれてから6歳頃までに最も良く接した人、場合によっては父親や祖父母、両親を亡くした場合はその他の大人が子どもの成長に影響を与えることもありますが、多くの家庭において母親が最も子どもに影響を与えやすいということなのです。

 

本題に話を戻しますが、毒親の問題において父親は無関係ではありません。

私が知る限り、母親だけが毒親で父親は全く問題がないというケースはほぼないといってもいいでしょう。

 

父親がわかりやすい形で直接子どもに影響を与えていることもあれば、一見すると「いいお父さん」として間接的に影響を及ぼすこともあります。

ここでいう「間接的」というのは、夫婦関係を通して子どもに良くない影響を及ぼすということです。子どもにとっていいお父さんだけど、妻にとっていい夫ではないこともあります。

 

たとえば父親が、忙しくて精神的・肉体的にも余裕がなかったとしましょう。

その結果、母親(妻)の話を聞く暇がなかったり、様子を気にかけることができない場合、母親の関心が「夫から子ども」にうつることがあります。

自分を必要としてくれない(ように思える)夫よりも、自分を必要として求めてくれる子どもの方に関心が向くのは自然なことです。

その結果、本来なら夫に話すべき愚痴を子どもに話すようになることがあります。

すると子どもは、自分の話を親に聞いてもらえなかったり、父親の代わりに母親を自分が支えなきゃ…と背負いすぎてしまうことがあるのです。

※母親だけではなく、父親が子供に愚痴を話すケースもあります。板挟み状態になるのでこの状況が一番、子どもにとってきついです……。

 

 

Poche

 

「母親が子どもに愚痴を話す」というケースにおいては、「子どもに愚痴を言うべきではない」という結論だけがクローズアップされやすく母親だけが悪者のようになりがちです。

ですが実際には、母親だけが悪者というよりは「母親の話を聞いてくれる大人がいなかった」「父親が母親の愚痴を聞いてくれなかった」という別の要因が隠れていることも多いのです。

 

だからといって子どもに愚痴を話していいのか?というと、それはまた別の話なのですが、今回は「父親の関係性」についてなので話をいったん戻しますね。

このように、一見「母親と子ども」の問題に見えるようなことであったとしても、実は父親が間接的に影響を与えているケースは珍しくありません。

 

事実、「父親が助けてくれれば」「父親がもっと頼りになれば」と訴えるクライエント(子どもの立場の相談者)は多いです。

それとは反対に、「父親が自分、つまり子どもの味方をすることで、母親が嫉妬してますます関係が悪化する」という別の悩みを抱えることもあります。子どもにヤキモチをやいている状態です。

 

一見すると「子どもの味方してくれるいい父親」のように見えるかもしれませんが、実はそうとも言い切れません。

母親が娘に嫉妬するということは、母親は夫からの愛情を十分に実感できていない可能性があるからです。夫に感じる不安や不満が、「子どもへの嫉妬(という形の攻撃)」となって働いている可能性があります。夫婦関係の不安定さが、子どもに影響を及ぼしている可能性もあるのです。

 

そのようなケースをみてもやはり「毒親問題に父親は無関係とは言い難い」、というのが私の見解です。

 

親子の悩み、とりわけ毒親問題に関しては100人いれば100通り以上ののケースが想定されます。

誰一人として「全く同じ状況」というのはあり得ませんし、仮に似たような状況に思えても「どうするのがクライエント(相談者)にとってベストか」への答えは全く違います。

そのためこれ以上具体的な話をすることは差し控えさせていただきますが、ここ最近のご相談で「父親は無関係なのか」というものがとても増えていましたので何か参考になればと思い、このようなお話をさせていただきました。

 

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Posted by poche