【あなたのせいじゃない】「頑張れ」が苦手な2つの理由
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
今日のブログは「頑張れ」という言葉の使い方について。
※この内容はVoicyでも音声配信しています。
- 「頑張れ」と言われると、しんどい
- 「頑張れ」と言われると、「頑張りが足りない」と指摘されているように感じる
- 「頑張れ」と言われると、「もう十分やってるよ!」とイラッとくる
あなたには、このようなことがありますか?
今日のブログを読んでほしいのは、「頑張れ」と言われると心がモヤモヤする『あなた』です。
「そう思ってしまう自分を責める必要は無いんだよ」ということをお伝えするために、ブログを書いていきます。
「頑張れ」は言っちゃダメ?
カウンセリングに訪れる方の中には「まわりから頑張れと言われるのがしんどい」という人もいれば、「まわりから頑張れという励ましが欲しい」という方もいます。
そもそも「頑張れ」は、言ってはいけない言葉なのでしょうか…?
実は「頑張れ」という言葉がNGワードとして取り上げられるようになったのは、ここ10~20年のことです。
頑張りすぎて倒れてしまったり、頑張りすぎて不調が出たり…こういった人たちに対して「これ以上頑張れ!というのは良くないのでは?」という観点から、『頑張れ』という言葉が慎重に使われるようになったように思います。
さて。
例えばあなたの友人が、50m走に挑戦したとしましょう。
この時あなたが言う「頑張れー!!」には、どんな意味が込められていますか?
・・・「見守ってるよ!」という励まし、「勝ってほしい」という期待など、友人を想って『心から応援する』のではないでしょうか?
「頑張りが足りないぞ!」という指摘や、「遅いぞ!」「もっとできるだろう!?」という批判的な意味で、「頑張れ」と言っているわけではないのではと思います。
このように本来「頑張れ」は、『応援や励ましの言葉』なのです。
では応援や励ましであるはずの言葉が、なぜ嫌みに感じたり、プレッシャーになってしまうのでしょうか?
それには、ちゃんと理由があります。
「頑張れ」の意味
相手がどのような気持ちで「頑張れ」と言ってくれているかは、相手にしか分かりません。
「嫌みだな…」と感じても、相手は応援のつもりで言っているのかもしれません。
「もっとやれってこと?」とプレッシャーを感じても、相手にそんな意図はないかもしれません。
ここで考えてみて
ほしいことがあります。
相手に悪気がないのだとしたら、勝手にそう感じる「あなたが悪い」のでしょうか?
相手から「頑張れ」と言われて嫌な気持ちになるのは、あなたの性格が悪いせいでしょうか?
あなたが考えすぎたり、言葉の裏を読んでしまうせいでしょうか?
・・・違います!
相手に悪気があってもなくても、「そう感じるあなたが悪い」なんてことはないのですよ。自分の感じたものに「良い」「悪い」はありません。
自分の感情を否定しないでくださいね。意見を言った傍から「それはおかしい!!」と全否定されたら、話す気もなくなってしまうでしょう?
それと同じで、自分の感情を自分で否定すると「自分らしさ」が出せなくなってしまいますから。
さらに、嫌な気持ちになるのは「性格のせい」でもありません。だから、性格を直そうとしなくていいです。
「性格を直さなきゃ」と思っている時点で、あなたは自分が思っているほど性格は悪くありません。大丈夫。
考えすぎたり言葉の裏を読んでしまう自分を、責める必要もありませんよ。
「考えすぎ」と言われるとダメなことのように感じてしまう人は多いのですが、あなたにとって考えてしまうようなことが現実に起こっているのですから。台風で風がユービュー吹いているのに、「風なんて気にするな!」とアドバイスされるようなものです。
でも、
不思議ですよね。
あなたの性格のせいではない、考え方のせいでもないとしたら、何が「頑張れ」という言葉に苦手意識を持たせているのでしょうか?
実はこのようなケースでは多くの場合、『子どもの頃の何か』が関係しています。
子どもの頃に「どんな頑張れ」をもらった?
「頑張れ」が苦手な理由は人それぞれ違うのですが、今回は特に多くみられる『2つの理由』についてお伝えしますね。
1.頑張れ、が少ない家だった
人間関係のベースは、親子関係です。
「頑張れ」という応援や励ましが少ない家で育つと、慣れていないのでどう反応していいのか困ってしまうことがあります。
「なんでこの人は、私に頑張れと言っているのだろう?」という疑問が生じることもあります。慣れていない言葉なので、言葉の意味を深読みしてしまうのです。
自分に自信がない人ほど「もっと頑張れってこと…?」と不安になったり、周囲と比較して「頑張りが足りないって言いたいのだな」と落ち込んでしまいがちです。
自分の心を守るためにとっさに反論したり、これ以上傷つけられないように「あの人嫌い!」と批判したり、関係を断つこともあります。
2.親が過干渉・支配的だった
「あなたなら出来る」と、親に信じてもらえるのは心強いことです。
自分のやりたいことを応援して「頑張れ!」と言ってくれるなら、それは『頑張る力』になります。
でも自分がやりたくないことを強制させられたり、もうこれ以上やりたくない時に、「あなたなら出来る」「頑張れ」と言われるのはプレッシャーでしかありません。
このような環境で育つと、「頑張れ=まだ出来るでしょう?」という意味に感じてしまうことがあります。
もうできないのに頑張れと言われるのは、「頑張りが足りない」「もっと頑張れるだろう」と押し付けられているのと同じなのです。
「頑張れ=あなたには無理だと思うけれど」という意味に感じることもあります。
親が自分に期待していないと感じていたり、他の兄弟姉妹や友達を比較されて育った人に多い傾向です。
このような環境で育つと「凄いね」と褒められても、「こんなことで褒めるなんて、私にはどうせ出来ないと思われていたんだな」と疑ったり、悲しくなったりすることもあります。
言葉の捉え方は「変えていける」
今回のブログでは、「嫌な感情が湧き上がるのは過去の影響のせいかもしれない」とお伝えしました。
親のせいだ!と言いたいのではありません。
親の子育てが悪い!と責めたいのでもありません。
子どもの頃に頑張らなかったあなたが悪い!というつもりも、一切ありません。
過去の影響だから諦めよう!と提案するつもりもありません。
あなたに伝えたかったのは、「子どもの頃の家庭環境の影響が、大人になった今も影響している」という1つの可能性についてです。
自分のせいで、自分が悪いから、自分を変えなければ…と自責していたあなたが、もうこれ以上自分を責めなくて済むようにお伝えしたかったのです。
これらの事実を知って「親のせいだ!!」と心の中で責めたり、イライラしたり、悲しくなることもあるかもしれません。
それはそれでOKです。そう思う自分を責める必要はありませんよ。
これまで「自分のせいだ」と思っていたあなたが、「親のせいだ」と思えるようになったなら、それはそれで「前進」です。
これまでとは違う心の変化が起こった、ということです。
「自分のせいではなかった」と分かれば、「じゃあどうしていこうかな?」と考えることが出来ますから。
そうですね…
過去に「サバ」で食中毒になり、とても辛い思いをしたとしましょう。
その後しばらくは、サバを見るだけで当時の辛さが蘇ってしまいがちです。スーパーでサバを見るだけで、「辛かったな…」と嫌な気持ちになることもあるでしょう。
・・・でも目の前のサバは、「食中毒になったあの時のサバ」とは違いますよね。
このように頭では理解していても、過去の影響(サバで食中毒になった)が残っていると、過去の出来事とは無関係の「目の前のサバ」にも嫌な感情が芽生えやすいのです。
それと同じで、あなたが「誰かからの頑張れ」が苦手なのは過去のせいなのかもしれませんよ。
「目の前のその人」のせいではなく、過去の影響で「頑張れが苦手なのかも」と納得できれば、相手からの言葉に今ほど傷つかなくなるかもしれません。
今回は「頑張れ」という1つの言葉に限定してお伝えしましたが、私たちが抱える生きづらさには、『実は過去が影響しているケース』が案外多いのです。
相手からの質問が苦手、相手と1対1で話すのが苦手という人は、「どんな質問」「どんな言葉」が苦手なのか探してみてくださいね。
苦手になった原因がはっきりするだけで、今までよりも人と話すのがラクになることがありますから。