子どもを愛せない5人の母親たち~母親神話のタブー・毒親・親子逆転
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
今日は前回の【>>母親神話】に引き続き、子どもを愛せない母親の具体例についてお伝えしていきます。
本来母親が与える愛情は、子どもが健康に育つために欠かせないものです。
でも世の中には、子どもに必要な愛情を与えることが出来ない母親がいます。
愛を与えられないだけならまだしも、子どもを傷つけます。
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愛せない母親は「悪人」なのか
最初にお伝えしておきたいのですが、この記事の目的はあなたの親を悪く言うことではありません。
「過去に起こったこと」を事実として受け止め、それによって「今のあなたがどのような影響を受けているのか」を知ってほしいのです。
これは、今抱えている悩みを母親のせいにすることでも、母親を責めることでもありません。
「今抱えている悩みの原因」が分かった後、どうするかはあなた次第だからです。
今回の記事では、子どもを愛せない5人の母親の例をご紹介します。
これらの母親は誰一人として「今日はどうやって娘を傷つけてやろうか!?」と考えているわけではありません。
中には残酷な母親もいますが、多くの場合は『無意識』による行動です。
母親自身が感じている不安や恐怖、劣等感や喪失感から逃れようとして、『娘を使い』ます。
子どもを過剰に世話して「自分の存在価値」を感じようとしたリ、子どもを貶めて「自分の方が上だ」と満足感を得ようとしたり、子どもをコントロールして「自分の欲求」を満たそうとします。
こうした母親に共通しているのは、人に共感できないという点です。
このように「共感できない母親」のもとで育つ子どもは、「自分は愛されていないのではないか」という深い心の傷を負うことになります。
でも共感できない母親は、自分の行動や発言が子どもにどのような影響を及ぼすのか、どれだけ子どもを深く傷つけるのかが分かりません。
その必要性を分かろうともしないのです。
子どもを愛せない5人の母親
これから紹介する5人の母親は、「母娘問題」において非常に多いパターン例です。
ただしこの5人の母親には、はっきりした境界線はありません。
いくつかのパターンがまたがっていたり、複数のパターンが該当する場合もあることをご承知ください。
1.自己愛の強い母親
いわゆる「毒親」と呼ばれる母親の多くは、自己愛が非常に強いです。
自分の言うことが絶対です。
自分の言うことを通すためなら、嘘をつくことも、他人を利用することもためらいません。
いつも心が不安定で自分のことしか考えていないので、子どもが何を感じ、何を考えているのかを気にかけることが出来ないのです。
このような母親は娘を「女性」としてライバル視し、「あなたは可愛くない」「あなたは醜い」などとひどい言葉を浴びせ、娘の自信を損なおうとすることもあります。
小さい頃は大事にしてくれたのに、大きくなるにつれて母親が冷たくなるケースでよく見られます。
子どもはそのことに気がつかず「昔は大事にしてくれたのに今酷いことを言うのは、自分に何か悪いところがあるのだ」と思い込みます。
本当は自分に悪いところなど何もないのに、です。
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2.過干渉の母親
「母親である自分」に価値を感じているので、娘の健全な自立を応援できません。
「やらなくてもいい」と言われても世話をし、「いらない」という物を与え続け、「あなたは一人では生きていけない。私もあなたがいないと生きていけない」というメッセージを送り続けます。
こういった母親は、幼少期から自分の子どもを「親友」「大切な友達」と呼ぶこともあります。
自分と同じ意見の時、自分に従う時、自分に共感してくれた時にだけ、子どもに共感を示します。でも、娘の要求や好みが「自分と違う」時には決して認めません。
このタイプの母親が求めているのは、100%自分に共感してくれる「口答えしない可愛いお人形のような子ども」だからです。
厄介なのは、母親が「勝手にやっている」のに、子どもが「やってもらっている」と錯覚させられること。
だから親から離れることに、罪悪感を感じます。
3.コントロールばかりする母親
母親自身が自分の人生に絶望してい場合に、子どもを過剰にコントロールしようとすることがあります。
子どもを使って、自分の人生を埋め合わせようとするのです。
このような母親にとって子どもは、「自分を幸せにするために自分の命令を実行するモノ」でしかありません。
そこに子どもの人格や、意思は存在しません。
母親は、自分の要求や望みを子どもに押し付けます。
- 「あなたにとって何が一番いいかを知っているのは自分だけだ」
- 「あなたのことを本当に考えているのは私だけ」
- 「私の言うことを聞いていれば間違いない」
こういったメッセージを子どもに植え付け、自分の行動を正当化します。子どもがそのことに「疑問」さえもてないように…。
万が一子どもが従わない場合は、「言うことを聞いておけばよかった…」と後悔するまで子どもを批判します。
これを繰り返すことで、「お母さんは間違いない」と子どもに信じ込ませます。
親が言ったことを「信じ込んでいる」ので、大人になって親から離れても何年、何十年と影響を及ぼし続けます。
4.世話が必要な母親
- 親が話を聞くのではなく、子どもが親の話を聞きます。
- 親が子どもを慰めるのではなく、子どもが「お母さん、辛かったね」と慰めます。
- 親が子どもを励ますのではなく、子どもが「お母さん、すごい!」と励まします。
子ども時代に十分愛されなかった母親が陥りやすい、親子逆転の古典的なパターンです。
母親は、「完全に私を満足させろ」と子どもに求めます。
それが出来ないと子どもをバカにしたり、責めたり、罪悪感に訴えたりして自信を失わせます。
でも当然のことながら、幼い子供には、母親の要望を100%満たすことはできません。
すると子どもは大人になった時に、他の人に尽くしすぎたり、与えすぎたり、助けすぎたりすることがあります。
心理学者が、「反復強迫」と呼ぶものです。
母親を満足させられなかった過去が忘れられず、「次こそは…」と自分を駆り立て、無意識に誰かを満足させようとがんばりすぎてしまいます。
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5.ネグレクト・虐待する母親
子どもに一切の温もりを与えられないのが、このタイプの母親です。
自分自身が虐待をすることもあれば、家族の誰かから受けている虐待から守れないこともあります。
自分が攻撃されないために無言を貫いたり、見なかったことにして、子どもを差し出す母親もいます。
こうした母親は非常に不安定で、子どもの精神的な欲求はおろか、物質的な欲求まで平気で無視することがあります。
世話をする能力がないのです。
娘を物のように扱い、何かうまくいかなくなると「お前のせいだ」と子どもを責め、ささやかな愛情さえ与えることができません。
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母親のような「パートナー」を選ぶ
「女の子は父親のような男と結婚する」というのはよく聞く話ですが、子どもを愛せない母親に育てられると『母親のような男』を選んでしまうことがあることをご存知でしょうか?
大人になって無意識に母親のような相手を選び、「次こそは愛されよう」…と望んでしまうことがあるのです。
「母親のことは嫌だ」と思いながら、何年も精神的にコントロールされてきたせいで、無意識に母親のような相手を選んでしまうこともあります。
事実、毒親に育てられた子どもが、結婚相手からのDVやモラハラに悩むケースは多いです。
愛情のない母親のせいで、子どもは我慢強くなります。
我慢しなければその家で生きていけないからです。
だからパートナーから理不尽な扱いを受けても、我慢できてしまいます。
親の「それ」に比べれば、マシだと感じる人もいます。
ふつうなら精神的に崩壊するような状態でも、ギリギリまで耐えられてしまうのです。
「母親と同じだ…」と思う事もある
大人になった「毒親育ちの子ども」が抱える悩みで多いのが、「自分も母親のようになるのではないか…」という不安です。
もしかするとあなたも、ふとした時に母親と同じようなことを言ってしまったり、同じような行動をとっていることに気がつくことがあるかもしれません。
でも、落ち込まないでくださいね。
それは『当然のこと』です。
悩んでいるのはあなただけではないから、大丈夫。
あなたは何十年と、「その母親」と一緒に暮らしていました。
子どもを愛せない母親に認めてもらうために顔色を伺ったり、気にいるようなものを選んだり、話題に気をつけたり、怒らせないように、楽しませようと頑張ってきたこともあるでしょう。
一生懸命接してきたからこそ、母親の言葉や行動を子どもは『覚えてしまう』のです。
それが無意識に出てきてしまうことがあります。これはとても自然な事です。
あなたのせいではありません。
でも気がつけたのなら、大丈夫。
気がつけたら、今この時から「気を付ける」ことができます。
今この時から「変える」こともできます。
気がついて、認められた時点で、あなたの母親とは全然違うのですよ。
だからどうか、落ち込まないで。
落ち込むどころか「私と母は違った」と、胸を張っていいのですよ。
母親の影響について知ること
今回お伝えした5人の母親はおそらく、「あなたの母親」に似ている部分があったはずです。
こうした母親は、子どもの人生に強い悪影響を及ぼします。
厄介なのは、多くの場合「本人は無意識」だということ。だから、子どもが気付くしかありません。
でも多くの場合は、気がついても『見て見ぬふり』を続けます。
「こんなこと思っていいのだろうか」「親不孝ではないだろうか」「もう大人なのに…」と、世の中の風潮があなたにブレーキをかけてしまいます。
勇気を出して誰かに相談しても、理解されないので諦めてしまいます。これこそ母親神話の弊害です。
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>>子どもを苦しめる「母親神話」
あなたが感じた「親への違和感」は、そのままでも生きてくことができます。
今日まであなたがなんとか生きてきたように、そのままでも平気なのです。
でも今の生活に生きづらさを感じていたり、「自分を変えたい」「自信を持ちたい」と思うのなら、あなたが感じた違和感を信じてみてください。
そして、向き合ってみてほしいです。
- あなたは役立たずだ
- あなたは何をやってもダメ
- あなたはいつも中途半端
- あなたは一人じゃ何もできない
- あなたは自分のことしか考えていない
- あなたは可愛くない
- あなたは人を不幸にする
- あなたはバカ
- あなたは弱虫
このように、親があなたに投げかける「このような言葉」が、大人になったあなたを生きづらくさせている可能性があります。
思い出すエピソード、思い出す記憶、今も苦しめられている言葉があればメールカウンセリングで相談してみませんか?
自分では気がついていない「親が与えた影響」に気がつけるかもしれません。
気がつければ、抜け出すヒントも見つかります。