【無実の罪悪感1】「親に育ててもらったから…」「親には借りがある」と感じる子ども~毒親
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
ここ数日間は、『親への罪悪感』についてお伝えしていければと考えています。
実は、親子問題でカウンセリングに訪れる方の多くが「親への罪悪感」を強く持っています。
それも多くの場合は、『無実の罪悪感』です。
多くの子どもが、持たなくていい罪悪感に苦しめられています。
あなたのせいではないのに、「自分のせいだ」という罪悪感を背負わされています。
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「無実の罪悪感」はこうして作られる
- 「親に育ててもらった恩がある」
- 「親は自分たちのことを犠牲にして、私を育ててくれた」
あなたは、このように感じることがありますか?
もし感じたことがあるのであれば、このような思いが「無実の罪悪感」をつくりだしています。
子どもが親の態度から感じ取るものもあれば、直接言葉で「無実の罪悪感」を植え付けられることもあります。
例えば、次のような言葉です。
- 「誰のおかげで育ったと思っている!」
- 「親にもっと感謝しろ」
- 「お前を育てるために、○円も使った」
- 「子育てのために、キャリアを諦めた」
無実の罪悪感とは
これら親の態度や言動によってつくられる罪悪感を「無実の罪悪感」と私が呼ぶのには、理由があります。
これらは全て「子どものせい」ではないからです。
子どもに責任がないことに対し、どうして子どもが罪悪感を持たなくてはいけないのでしょうか?
子どもは「自分のせいだ」と思い込まされているだけです。
親には、子どもを育てる義務があります。
子どもが頼み込んで「その親から生まれた」わけではありません。
子どもが欲しいと思ったのも、産んだのも、すべて親の決断です。
子どもは、何も決められません。
「本当はあんたなんかいらなかった」という酷い言葉を平気で投げかける親がいますが、これも「親の責任」です。
あなたは何も悪くありません。
子どもをつくる、妊娠する、産む。
その過程で全ての決断をするのは親であり、子どもではありません。
「私が生まれてこなければ…」と悩む子どもは多いですが、「生まれるかどうか」を子どもは自分で決められません。
だから、あなたに責任はないのです。
「生まれてきたこと」を申し訳なく思う必要も、ありません。
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これは、親を裏切る行為…?
- 「親にこんなひどいことをされた」
- 「酷いことを言われた」
- 「もっと愛して欲しかった」
- 「親のこういう所が嫌いだ。憎い」
このような素直な感情が出てきた時に、罪悪感を感じることがあります。
無実の罪悪感を植え付けられると、「過去を直視する」ことが親への裏切りのように思えて怖くなるのです。
でも「過去を直視する」ことは親への裏切りでも、反抗でも攻撃でもありません。
「過去を直視する」というのは、親のやり方には自分にとって有害な点がたくさんあったことを認めることです。
子どもの頃は「どの家もそうだ」と無理やり納得してきた理不尽な事柄について、それらがおかしかったという事実を認めることです。
過去を直視する目的は、もう自分にウソをつかないこと。
過去のできごとについて、自分がどう感じ、どのような影響を受け、今どのような弊害が出ているのか。
「事実」を知るための作業です。
自分の気持ちに素直になることは、親を裏切ることではありません。
どのような親も、大なり小なり「毒性」を必ず持っています。完璧な親はいません。
問題は「親の毒性」が、大人になったあなたにどのような影響を与えたかどうか。
親がしたことではなく、「あなたが受けた影響」について向き合うのです。
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「絶対に」過去を振り返らなきゃダメ?
「過去を直視」する過程で、「怒り」「悲しみ」「恐れ」「嘆き」といった強い感情が湧きおこることがあります。
毎日の生活でいっぱいいっぱいなのに、このような辛い作業を絶対やらなけれないけないのでしょうか?
答えはNOです。
あまりにつらいのであれば、無理をして過去を掘り起こす必要はありません。
あなたが今こうして生きているように、「過去を掘り起こさなくても生きていくことはできる」からです。
「今のままで生きていける」、そう感じるのであれば過去を振り返る必要はありません。
過去の振り返りが必要な人は…
- 親から本当の意味で自立したい
- 親と適切な距離を保ちたい
- 親への悪感情を整理したい
- 親への罪悪感をなんとかしたい
- 毒親になりたくない
- 人を信じられるようになりたい
- 人と程よい距離感を保てるようになりたい
このような願いがあるのであれば、過去を振り返る必要があるでしょう。
カウンセリングを通して、親があなたをどのように育ててきたのか客観的に見ることで「なぜ親に罪悪感を感じているのか」が分かります。
「親にしょっちゅう言われた言葉」を整理する中で、大人になったあなたを苦しめている『ルール』が分かります。
例えば「ほーら、また!」と指摘されてばかりいた子どもは、失敗するたびに自分を責めます。「やっぱり自分はダメな子だ…」と思い込みます。
親に「自分の気持ち」を受け入れてもらえなかった子どもは、大人になった時に本音を言うのが苦手になります。「どうせ誰も私のことは分かってくれない」と、心に壁をつくります。
このように『大人になって悩んでいること』の原因が、自分では思いもよらない「過去」と結びついているケースは多いのです。
大人になった今でも、なにか決断する時に「親はどう思うかな…」とよぎるのであれば、親があなたに与えている影響は相当強いです。
カウンセリングをお申し込みの際には、「親への罪悪感が強い」ことをお伝えください。
「親から連絡があると憂鬱になる」「帰らなきゃと思うとしんどい」「そう思う自分が嫌」など、「こんなこと書いていいのかな」なんて思わずに感じたまま書いてみて下さい。
私はあなたを否定しません。
今をもっと楽に生きるための「本音」の部分を一緒に探していきましょう。
Poche