「好かれたいのに近づかれると怖い」 回避型愛着スタイルの心理とその背景
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
この記事は、
「誰かとちゃんとつながりたい気持ちはあるのに、親しくなるほど逃げたくなる」……そんなあなたに伝えたいメッセージです。
心の中では「本当はもっと愛されたい」「近づきたい」と思っているのに、「でも、深く関わるのは怖い」「嫌われるくらいなら自分から離れる方がいい」という、複雑な想いを抱えることがあります。
でもそれは、あなたの性格の問題ではありません。
「回避型愛着」という心の傾向が、そっとあなたを守ってきたのかもしれません。
回避型愛着とは?——“近づきたさ”と“怖さ”
愛着スタイルとは、幼少期の親との関係をベースに、他者との距離のとり方に現れる心の傾向です。
心理学では、大きく分けて次のようなタイプがあるとされています:
- 安定型(安心して人とつながれる)
- 不安型(拒絶されることを極端に恐れる)
- 回避型(距離を縮めすぎることに恐れを感じる)
回避型愛着の人は、
「誰かと親密になりたい」という気持ちがありながらも、
心の深いところで「近づかれると不自由になる」「感情が乱されるのが怖い」と感じやすいのが特徴です。
回避型によく見られるのは、次のような行動パターンです。
たとえば…
- 誰かに頼られるのは平気なのに、自分が弱音を見せるのはすごく苦手
- 好きになった人に、つい距離を取ってしまう
- 「追いかける側」になるのは避けたくて、自分のペースを保とうとする
- 親密になると、「自由がなくなる」「重たくなる」ような気がしてしまう
- 安心できる人に惹かれるけれど、近づくと苦しくなる
もし当てはまったとしても、心配しないでくださいね。
「ダメだ」とか「よくない」とか、そういうことではありません。
これらはすべて、「心の安全」を守るための自然な反応だからです。
回避型の人は、幼い頃に親密さが負担になったり、頼ろうとしても受け止めてもらえなかった経験があることが少なくありません。
だからこそ、大人になってからも、「本当の自分を見せたら拒絶されるかも」という怖さが、無意識のうちに働いてしまうのです。
守りながら生きてきただけ
ここまで読んで、
「自分は人を突き放してばかりかもしれない」「こんなんじゃ、誰ともうまくやれない」と落ち込んでしまった方もいらっしゃるかもしれません。
でも、決してそんなことはありません。
回避型の反応は、あなたがこれまでの人生で、精一杯、自分を守ってきた証。
誰よりも辛く苦しい思いをしていたのは、あなた自身のはず…。
それでもあなたは、今日まで生きてきました。分かってもらえなくて、自分でもうまく説明できなくて…もどかしい思いを抱えた日もあったのではと思います。
人を信じることが簡単ではなかったり、感情を見せることで傷ついたことがあったり…。
これまでの過去の経験から導き出された「もう二度とあんな思いはしたくない」という思いが、自分を守るために選んだスタイルが今の生き方なのかもしれません。
それは、あなたが“つながりたい”と願ってきたからこその防衛反応です。
回避型のスタイルは決して非難されるべきものではなく、誰にも寄りかからずに頑張ってきた強さの裏返しでもあるんです。
少しずつ自分のペースで心をひらくために
すぐに人を信じられなくても大丈夫です。
大事なのは、「安心できる関係があるかもしれない」と思ってみること。
「そんな関係あるわけない!」と全否定するのではなく、ほんの少しだけ可能性を信じること……ただそれだけでも、変化のきっかけになります。
そのためにできることの一例としては、次のようなものがあります。
- 無理に距離を詰めず、“安心できる人”と少しずつ時間を過ごす
- 自分の気持ちを、一言だけでも言葉にしてみる
- 「怖い」と感じたときは、それを正直に自分に認めてあげる
- カウンセリングなどで、安全な環境の中で“関係性”を経験し直してみる
- 「人を信じてもよいかもしれない」と思えるような情報に触れる
回避型だからといって、ずっとひとりでいなければいけないわけではありません。
「誰かといても自由でいられる関係」も、この世界にはちゃんと存在します。
「近づくのが怖い」
「でも、好きな人に本当はわかってほしい」
その気持ちは、どちらも嘘ではありません。どちらもあなたの気持ちです。
回避型のあなたが感じるその矛盾も、全部まるごと、あなたの大切な一部。
今はまだ、うまく人と関われないと感じていても、それは心が“安心”を求めている途中なのかもしれません。
ゆっくりでいい。あなたのペースで。
本当に安心できる関係を、少しずつ育てていけたらいいですね。
なかなか周囲に理解してくれる人がいないと思えば、Pocheメールカウンセリングもご利用くださいね。
「理解してくれる人がいる」「分かってくれる場所がある」という安心感が、人を信じる大きな希望になるはずです。