「つい下手に出てしまう…相手に見下されてしまう…」過剰な不安との向き合い方
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
「相手に迷惑をかけたくない」
「ちゃんと対応できているか、不安で仕方がない」
「知らないことを指摘されたら、恥ずかしい…」
そんなふうに強く不安を感じて、つい必要以上に下手に出たり、謝ったりしてしまうことはありませんか?
いつの間にか相手が優位に立ち、雑に扱われてしまう…そんな関係を繰り返してしまうことに、苦しんでいる人も少なくありません。
そこで今回は、なぜ「過剰な不安」が生まれるのか、なぜ「自己犠牲的な対応をしてしまうのか」について、お話ししていきます。
なぜ、過剰に不安を感じてしまうのか?
強い不安を感じてしまう背景には、いくつかの要因があります。
①「失敗してはいけない」という思いが強い
「ちゃんと対応できなかったらどうしよう…」
「知識不足だと思われたら、がっかりされるかも…」
こうした考えがあると、ミスを恐れて過剰に慎重になってしまいます。
💬 相談事例:知識不足を指摘されるのが怖い
「職場で、新しい業務について質問されたとき、とっさに答えられませんでした。
その瞬間、上司の表情が少し曇ったように見えて、『ああ、やっぱり期待外れだったかな』と焦りました。
それ以来、質問されるたびに『ちゃんと答えられるだろうか』と不安になり、いつも緊張してしまいます。」
このような不安を感じる背景には、「失敗してはいけない」「期待を裏切ってはいけない」という思いが強いことが考えられます。
たとえば過去に、「できて当たり前」と期待されたり、間違いを指摘されて恥ずかしい思いをした経験があると、「完璧に答えなければ」と焦るようになります。
また、相手の表情や反応に敏感な人ほど、「がっかりされたかも…」と深読みし、不安がさらに大きくなることがあります。
②「普通に振る舞えているか」を気にしすぎる
「変に思われていないかな?」
「ちゃんと適切に対応できているかな?」
このように、人からどう見られるかを気にしすぎると、不安がどんどん大きくなります。
💬 相談事例:「緊張すると声が小さくなってしまう」
「会議で自分の意見を言うとき、緊張で声が小さくなってしまいます。何度か『もう少し大きな声で話して』と言われたことがあり、それ以来『また聞き返されたらどうしよう』と余計に不安になってしまいます。」
このような状況に至る背景には、「人前で間違えたくない」「変に思われたくない」という強い意識があると考えられます。
過去に発言を聞き返されたり、「もっとハキハキ話して」と指摘された経験があると、「また同じことを言われるかも」と不安が膨らみます。
その結果、緊張するたびに体がこわばり、声が小さくなってしまうのです。
また、「聞き返される=恥ずかしい、どうしよう、かっこ悪い」などと感じることで、さらに萎縮してしまうこともあります。
なぜ、自己犠牲的な対応になってしまうのか?
過剰な不安を感じると、「失敗しないように」「迷惑をかけないように」「嫌われないように」と考えてしまいます。
その結果、つい下手に出たり、謝ったりしてしまい、自分が負担を背負う形になりやすいのです。
例えば、次のようなケースがあります。
💬 相談事例:「つい謝ってしまう」
「仕事でミスをしたわけではないのに、つい『すみません』と言ってしまいます。同僚に指摘されて、『謝らなくていいよ』と言われても、なかなかやめられません。」
💬 相談事例:「気づけば相手が優位に立ってしまう」
「嫌われたくないからこそ譲っていたはずなのに、結局、『当たり前』のように扱われるようになってしまいました。気づけば相手の要求ばかり通るようになり、私はどんどん遠慮するようになっていました。」
あなたが悪いわけではない
不安を感じやすいのは、あなたが真面目で、一生懸命な人だからこそ。
自己犠牲的になってしまうのは、それだけ相手を大切にしようとする気持ちが強いから。
決して、あなたが悪いわけではありません。
自己犠牲がダメではありません
そもそも悪いのは、「自己犠牲的になるあなた」ではありません。
そこを利用したり、攻撃したりするような「相手」が悪いのです。
…とはいえ、そういう相手は変わらないものです。
だからこそ、『自分を守るために自己犠牲的な部分を変えていく』ということが、必要なこともあります。
「相手に合わせるため」ではなく、「自分を守るため」に、少しずつ対応を見直していくことが大切です。
相手を変えることは難しくても、自分の心の負担を減らすことはできます。
無理のない範囲で、自分の気持ちを大切にする選択をしていきましょう。