【比較されて育つ弊害】人と比べて落ち込んでしまうあなたへ 〜あなたの性格のせいではない
こんにちは。心理カウンセラーのPocheです。
突然ですが、あなたは次のように感じたり、悩んだりすることはありますか?
- 「もっと頑張らなきゃ」
- 「努力して変わらなきゃ」
- 「あの人みたいにならなきゃ」
- 「やらなきゃと思うのにできない」
- 「今の自分が嫌い」
2つ以上、当てはまったあなたに、もう1つ質問します。
このような悩みを打ち明けた時に、次のように言われたらどう感じますか?
あなたは、あなた。
何かできたかどうかに関係なく、そのままのあなたに価値があります。
他の誰とも比べる必要はありません。
このように言われた時に、「そうだなぁ」と納得できたり、元気や勇気をもらえるのなら全く問題ありません。
悩みを軽くしてくれる言葉は、心の中に留めておいてください。何かあった時、いざという時に、あなたの心を回復してくれるはずですから。
今日の記事は、このように言葉にモヤモヤするあなたに向けた内容です。
「所詮、綺麗事」とイライラしたり、「今の私に価値なんてない」と悲しくなったり、「比べなくていいと言われても、比べてしまうから困ってるのに」と感じることもあります。
努力しないと見放されてしまいそうで怖かったり、「今のままじゃ受け入れてもらえない」と思うほどこれまで色々な事を乗り越えてきたのかもしれません。寂しさや不安を抱えて、ひとりで一生懸命がんばってきた方もいるでしょう。
先ほどの言葉に納得できない理由はいろいろ考えられますが、私がここで伝えたいのは「納得できるようになりなさい」「納得できないのは良くない」ということではありません。
納得できなくても、大丈夫。
モヤモヤしてもイライラしても悲しくても、大丈夫です。
誰かと比べてしまう理由
誰かと比べてしまう理由の1つが、幼少期の家庭環境によるものです。
例えば、次のような言葉を日常的に言われていると、無意識に人と比べるようになります。子どもの頃からずっとそうだったからです。
- 「お姉ちゃんは、〇〇なのに」
- 「お兄ちゃんを見習いなさい」
- 「〇〇ちゃんは、できるのに」
- 「なぜ、〇〇君のようにできないの?」
- 「うちの子が、〇〇さんだったらよかったのに」
自分にとって全く関係のない人と比較されるよりも、兄弟姉妹や従兄弟、年齢の近い人など、「自分にとって身近な存在」「自分に関係のある存在」と比べられる方が心を深く傷つけます。
さらには「誰に比較されたのか」も重要です。
自分にとってどうでもいい人よりも、親や先生など「自分を認めてほしい人」に比較されたり貶されたりする方が心を深く傷つけます。
「あなたはダメな子」と直接言葉で言われなくても、誰かと比較して貶されることは「あなたはダメな子」と言われるのと同等のダメージを心に与えるのです。
そしてこの影響は、大人になっても残り続けます。
親や先生があなたにそうしたように、大人になった時に「自分と他人を比較する」ようになってしまうのです。
厄介なのは、子どもの頃の癖で「他人と比べて劣っているところ」に目が行きやすくなっていることです。そのせいで、他人と自分を比較した時に「自分の方が劣っている」と自信をなくしてしまいます。
仮に、相手よりも自分の方が優れているところがあったとしても、また別の誰かと比較して「上には上がいる」「自分なんて…」と再び落ち込んでしまうのです。
比較されて育ったあなたへ
もしもあなたが、親や先生から比較されるような環境で育ったのだとしたら、2つお伝えしたいことがあります。
1つめは、もう、「人と比べなくてもいい」ということです。
人と比べてしまうのは過去の影響によるもので、「これからは人と比べなくていい」という新しい選択肢を加えてみてほしいなと思います。
誰かと比べていると、いつまでたっても「私は私」と自信を持てないからです。
2つめは、「人と比べてしまっても自分を責めないでいい」ということ。
1つめでお伝えした「人と比べなくてもいい」に納得できなかったり、「人と比べなくていいなんて言われなくても、分かってる!だけど比べちゃうんだよ!」とモヤモヤするなら、この2つめの方法を試してみてください。
この方法は、「人と比べない」を目指すのではなく、「比べてしまう自分を受け入れる」というものです。
自己啓発本やSNSの発信などでは、「人と比べること」が良くないこととして扱われています。
それは、人と比べることで嫉妬心が芽生えたり落ち込んだりと、自分らしさを見失って苦しみやすいからです。
…ですが、比べてしまう自分を責めるくらいなら、「比べてしまってもいい」「比べるような環境で生きてきたのだから」「今はまだ、それでいい!」と考える方がずっといいです。
人と比べてしまう一番の理由は「自分に自信がないこと」だからです。
「こんな私じゃダメ」「私なんて」という思いが強ければ強いほど、無意識に人と比べてしまいます。過去に比較され続けたせいで、自分に自信が持てず、自分の「できないこと」「ダメなところ」ばかりに目が行きます。
親や先生が子どもの頃のあなたにそうしたように、「ここがダメ」「ここが足りない」と、ダメな理由をたくさん集めてしまうのです。
だから、他の人が良く見えます。
相手が自分にないものを持っていたりすると「すごいなぁ」「いいなぁ」を超えて、「それに比べて私は…」と自責したり落ち込んでしまうのです。
自信がない=自分には何もない、ではない
「自信がない=あなたに何もない」、というわけではありません。
自分が気がついていないだけで、自分で認められていないだけで、あなたには既に出来ることがたくさんあるはずです。
カウンセリング現場で感じるのは、自信がない人は「何もできない」のではなく、「自身の土台を育ててもらっていない」ということです。
有名な大学を卒業していても、仕事で成果を収めていても、育児や家事をこなしていても、誰かのために頑張っていても……自信が持てるとは限りません。
自信は、何かができたかどうかで決まるものではないのです。
周囲から見て羨ましい容姿や頭脳を持っていても、人から羨まれるような生活をしていたとしても、自分に自信が持てない人がたくさんいます。
子どもの頃に自信を育ててもらいましたか?
自信を持てない人に共通しているのが、「子どもの頃に自信を育ててもらっていない」という点です。
これから「親」と、「自信を育てられない親」の2つの例をお伝えします。
あなたの家庭環境、親子関係はどちらに近かったかを考えてみてくださいね。
ー親
親は、子どもに自信を与えます。
「あなたなら出来る」と励まされ、結果にかかわらず応援してもらえることで「自分に味方がいる」という安心感を得ることができます。だから恐れず、挑戦を続けることができます。失敗しても、立ち直れます。
親という心理的な味方がいることは、子どもにとって何より心強いことだからです。
ー自信を育てられない親
このタイプの親は、子どもの自信を奪います。
過干渉過保護のタイプは、子どもが成長しても、あれこれと手出しをします。
子どもができることでさえ、親がやってしまいます。子どもではなく、親が決定権を持っています。そのせいで子どもは、「自分で決める」という経験が不足し、自分の決断に自信が持てません。さらには、「親は自分を信頼してくれていない」「自分一人では何もできない」という不安を抱えることもあります。
コントロール支配タイプの親は、子どもの自信を削ぎます。
他者と比較することで、「あなたはダメだ」というレッテルを貼ります。ありのままのあなたに価値があるのではなく、「何かできるあなたにしか価値はない」「できないあなたはダメだ」とネガティブな思考を植え付けてしまいます。
大人になったあなたが自分の自信を育てていく
もしも、あなたが自信を育てられない親」に育てられているのだとしたら、伝えたいことがあります。
それは、「このままの私じゃ愛されない。認められない」と自分を追い込まないでいいということです。
幼少期の環境のせいで「そう思わされた」だけで、そのままのあなたを認めてくれる人はいます。そんな人が身近にいないと思うなら、まずはあなたが「あなた」を認めてあげてください。
さらには、親が自信を育ててくれなかったとしても、大丈夫です。
大人になったあなたが、自分の自信を育てることができます。
子どもの頃に与えられなかったから、どうにもならない…ということはありません。安心してください。
人と比べた時、「誰から見た理想の自分」を目指してる?
ゆっくり深呼吸をして、考えてみて下さい。
あなたは今、「誰から見た理想の自分」を目指していますか?
もしかすると、「誰かの理想通り」になろうとしていませんか?
なぜこのような質問をしたかというと、「人と比べて落ち込んでしまう」人の多くが、過去に親や先生などから言われた言葉に苦しめられているからなのです。
例えば、人と比べた時に「もっと」「まだまだ」と自分を追い込んでしまう人は、子どもの頃に親や先生から言われた言葉に縛られていることが多いです。
もしかするとあなたも、過去に大人から言われた言葉に苦しめられていませんか?
「もっとちゃんとしなさい」のせいで、「もっとちゃんとしないとダメだ」と思い込んでいませんか?
「そんなんじゃダメ!」という言葉のせいで、「今の自分のままじゃダメだ」と思い込んでいませんか?
頑張らなきゃ褒めてもらえなかったから、「一生懸命やらないとダメだ」と思い込んでいませんか?
子どもの頃は、そうするしかなかったかもしれません。
親や先生に認めてもらうには、その環境で生きていくためには、親や先生の言葉を信じるしかなかったでしょう。
でも大人になった今はもう、親や先生が求める「あなた」になるために頑張らなくても大丈夫。
あなたの人生は、あなたのものだからです。
親も先生も、あなたの人生には責任を持ってくれません。
あなたが自分を傷つけたり、自分をすり減らして苦しんでまで、「過去に言われた言葉のため」に頑張らなくてもいいのです。
あなたは、あなた
- 「あの人、話すのがうまいなぁ」
- 「あの人、聞き上手だなぁ」
- 「あの人、可愛いなぁ」
- 「あの人、素敵だなぁ」
このように感じられるのは、あなたの素敵な所です。
誰かの良い所を見つけられるあなただから、「もっと頑張ろう!」と思えることもあったのではと思います。
でも、誰かは誰か。
あなたは、あなたでいいのです。
今は納得できなくても、「このような考え方がある」「こんなふうに考えてもいいのだ」ということを知っておいていただければと思います。他人の良い所を参考にするのはいいけれど、自分と比べて落ち込む必要はありません。
この考え方を持っていると、相手と自分を比べることがなくなります。
あなたか相手、どちらか一方だけが正しくて、どちらか一方が間違っているのではありません。
誰かが出来たからと言って、出来ない自分を責める必要もありません。
この記事を通して「人と比べなくていい」と納得できたり、「人と比べてしまうとしても、それでいい」とあなたが自分を責めずに済みますよう願っています。