「なんで私は……」「なんであの人は……」とグルグル考えてしまうあなたへ ~原因と対策
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
今日は、反響の多かった過去のツイート「なんで私は」という自責、「なんであの人は」という苛立ちについてお話しさせていただきます。
※今回のブログは音声サイト【>>Voicy】でも配信しています。
なぜ……の落とし穴
- なぜ、あの人はあんなことを言ったのだろう。
- なぜ、私はうまく出来ないのだろう。
- なぜ、断れないのだろう。
生きづらさや苦しさを抱えている時は、このように「なぜ?」という思考に縛られています。
でも「なぜ」は、答えが出ないことがほとんどです。だからこそ「なぜ」という疑問に苦しみます。
特に対人関係の悩みの場合、「なぜ」の答えは相手しか分かりません。
仮に相手に「なぜそんなことを言ったの?」と聞いて、答えが返ってきたとしても、それが相手の本心かどうかは分かりません。
つまり「なぜ」について考えることは、答えの出ないことを延々と考え続けることなのです。
答えが見えないからこそ、ゴールがないからこそ、考え続けて疲れてしまいます。
ここでお伝えしたいのは「なぜ」と考えるのが良くない、ということではありません。
「なぜ」と思うことが悪い、ダメだ、とお伝えしたいのでもありません。
「なぜ」という風に考えられるあなただからこそ、これまで成長できたこともたくさんあるはずです。
でも、「なぜ」について考えすぎてしまうと落ち込むし、疲れてしまいますよね。
そこでここから先は、「なぜ」について考えることに疲れてしまったあなたに向けて「今よりちょっぴり疲れにくくなる方法」についてお話ししていきます。
なぜ→どうしたら
「なぜ」がちょっぴり疲れにくくなる2つの言葉、それは「どうして」「どうしたら」です。
「どうしたら」「どうして」に変えるだけで、今より落ち込みにくくなり、悩む時間もぐっと少なくなります。
同じ「悩む」にしても、「解決するため」の前向きな悩みに変化するからです。
例えば、「なぜA子さんは、あんなことを言ったのだろう?」とモヤモヤしたとしましょう。
A子さんが「あんなことを言った理由」は、分かりません。
「あんなことを言った理由」を知るのはA子さん本人だけで、しかもA子さんに勇気を出して聞いても「本心で答えてくれるかどうか」は分かりません。だから、「なぜA子さんは」ということについては、考えないでいったん横に置いておきます。
その代わりに、「どうして私はA子さんの言葉にモヤモヤしているのか?」と考えてみましょう。
「なぜA子さんは」の答えはA子さんにしか分かりませんが、「どうして私は」の答えならちゃんと見つかります。自分のことだから、答えは自分で見つけられます。
実際に考えてみると、A子さんの言葉に「傷ついたから」「嫌だったから」「腹が立ったから」「馬鹿にされているようで悔しかったから」など、色々な理由が出てきそうですね。
ここでもう1つの言葉、「どうしたら」の出番です。
先ほど感じた自分の気持ちを、「どうしたら」解消できるだろうかについて考えるようにします。
たとえば「どうしたら、A子さんの言葉に傷つかないだろうか」「どうしたら、A子さんの言葉に腹が立たないだろか」という風に考えることができます。
A子さんがあんなことを言った理由は分かりませんし、A子さんに「自分が傷つくことを言わせない」というのも難しいです。
でも、自分が感じた気持ちを解消する方法や、自分の心を守る方法なら見つけられます。
そもそもそんな気持ちにならないように、「A子さんに近づかない」「A子さんと距離を取る」こともできます。
人が一番ストレスを感じるのは、「自分ではどうにもできないこと」。
「答えが見つからない「あの人はなぜ」という疑問は、あなたの心と体を疲れさせてしまいます。
でも、「なぜ」を「どうしたら」に変えて考えることができれば、「自分ではどうにもできないこと」は「自分で何とか出来ること」に変わります。
さて。
ここまで話を聞いていただいた方の中には、頭では理解できるけど「現実はそんなに簡単ではない」「それが出来たら苦労しない」と感じる方もいらっしゃるのではと思います。
このように思い悩む方の多くは、「しなきゃ」「するべき」という思考のループに苦しめられていることが多いです。そのきっかけが子どもの頃にあることも珍しくありません。
今回は時間の都合上「なぜそうなってしまうのか」という原因については割愛させていただきますが、現在発売中の著書「あなたはもう、自分のために生きていい」のチャプター1が原因を知るヒントになるかもしれません。
「なぜかそう思ってしまうこと」には、多くの場合過去の何かが関係しています。
それが何なのかを知るだけでも、今よりずいぶんラクに生きられるはずです。