「いい人をやめたい。でも嫌われたくない」──やさしさを自分にも向けるために
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
今日は、
「もう“いい人”でいるのがしんどい」
「でも、嫌われるのはやっぱり怖い…」
そんなふうに心が揺れているあなたへ、お話を届けたいと思います。
嫌われたくない」は、やさしさの証
「誘われたら断れない」
「本当はしんどいけど、笑顔で頑張ってしまう」
「自分のことより、つい相手を優先してしまう」
そんなふうに、“いい人”として振る舞うクセが、いつの間にか自分の中に根づいていませんか?
こんなふうに書くと「いい人でいるのがダメなの?」と感じるかもしれませんが、決してそのようなことは有りません。
そんなふうに振る舞ってしまうのは、それだけあなたがまわりを大切にしようと頑張ってきたから。やさしさが自然とにじみ出ている人なんです。
だからまずお伝えしたいのは——
「いい人をやめたい」と思うことも、
「嫌われたくない」と思うことも、
どちらもあなたの大切な気持ちで、どちらも責めなくていいということです。
「やさしくすること」が苦しくなるとき
人との関係の中で、「いい人」でいることに慣れすぎてしまうと、気づかないうちに“無理をするのが当たり前”になってしまうことがあります。
たとえば、誘いを断れずに予定を詰め込んでしまったり、誰かの愚痴に限界まで付き合ってしまったり…。本当はつらくても、「いいよ」と笑顔で応えてしまうことが続くと、少しずつ自分の気持ちがわからなくなってしまうものです。
——そんな場面が積み重なっていくと、少しずつ自分の気持ちがわからなくなってしまいます。
そして、ふと疲れたときに「どうして私ばっかり?」と感じたり、「やさしくするのがしんどい」と思ってしまうこともあるのではと思います。
それでも、周りからの「やさしいね」「気が利くね」の言葉に、「期待に応えなきゃ」と思ってしまったり……。
そんなふうに、「一体どうしたらいいのかわからない」と悩む方は、とても多いのです。
相談事例:「優しくしたいけど、もうしんどい」
Nさん(30代・女性)は、「いい人でいることに疲れました」と、相談に訪れました。
職場でもプライベートでも、“誰かのために”と頑張るのが当たり前だったNさん。
けれどある日、友人からの頼みごとに思わず「またか…」とイラッとしてしまったことに、自分でも驚いたそうです。
「私は本当にやさしい人なのかな。最近、ただの我慢ばっかりしてる気がして…
でもそれは、いい人って思われたくて、自分のために我慢してるだけなんじゃないかって。」
このように落ち込んでいたNさん。
まずは、「やさしさ」と「本音のズレ」に、少しずつ気づいていく時間を持ちました。
やがてNさんは、「“やさしくありたい”って気持ちは本物。でも、自分の気持ちを犠牲にすることとは違うんですね」と、ゆっくり言葉にしてくれました。
“やさしさ”を、自分にも向けるという選択
あなたのやさしさは、とても価値のあるものです。
でも、そのやさしさが「自分を我慢させるため」に使われているとしたら、それは少しもったいないかもしれません。
人との関係の中で、本当に大切にしていきたいのは、「相手とのバランス」と「自分の気持ち、感覚」です。
たとえば…
・嫌だと思うことに「NO」と言っていい
・疲れていたら、断ってもいい
・無理して笑わなくてもいい
それは「わがまま」でも「自己中」でもありません。
あなたが自分らしくいられる関係を守るための、“自然な境界線”です。
最後に
「いい人をやめたい。でも嫌われたくない」——
その間で揺れてしまうのは、あなたが「人と大切に関わりたい」と思っているからです。
そのやさしさを、どうか自分にも向けてあげてください。
人を気遣ってきてあげたなら、その気遣いを自分にも向けてあげてください。
自分の心にも「お疲れさま」と声をかけてあげてください。
そしてもし、今までの“いい人”としての自分に疲れてしまったのなら、
その気持ちをゆっくり整理する場所として、ここを思い出してもらえたら嬉しいです。
いい人”をやめることは、やさしさを手放すことではなく、“自分にやさしくなる”という、新しいスタートかもしれません。