「相手に合わせすぎてしまう」あなたへ——自分を大切にする生き方
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
「私はどうしたいんだろう?」
そう考えるより先に、「相手がどう思うか」「空気を悪くしないか」と考えてしまうことはありますか?
気づけば、自分の気持ちを後回しにして、周りに合わせてばかり。後で後悔する……という人もいるかもしれませんね。
今回は、「相手に合わせすぎてしまう」「自分の気持ちを押し殺してしまう」人がなぜそうなってしまうのか、その原因について一緒に考えていければと思います。
事例1:「いい人」に疲れてしまったAさん
Aさん(30代女性)は、どんな人とも円満な関係を築ける「気配り上手」な性格。
周囲からは「優しいね」「気が利くね」と言われることが多く、頼られることも多いそうです。
でも、Aさんには長年の悩みがありました。
「どこに行っても、“いい人”になってしまうんです。誘われたら断れないし、相手が求めるリアクションをしてしまう。自分の本音を出すのが怖いんです。誰かを傷つけたくないし、嫌われたくないから…。でも、家に帰るとぐったりしてしまって、『私、何をやってるんだろう』って思うこともあります」
Aさんのように、自分よりも相手を優先することが当たり前になっている人は少なくありません。
ここで言いたいのは、「相手を優先するのがダメだ」ということではありません。相手を優先できるのは素敵なことですし、そんなあなたに救われた人もたくさんいるはずです。
でも、もしあなたが、自分より相手を優先することに疲れてしまっているのなら…『自分の気持ちが置き去り』になっているのかもしれません。
では、なぜ私たちは「相手に合わせすぎてしまう」のでしょうか?
「相手に合わせすぎる」原因は?
相手に合わせすぎてしまう原因はいろいろありますが、ここでは特によくみられる3つの原因をご紹介します。
過去の経験による影響
幼少期に「わがままを言ってはいけない」「人に迷惑をかけてはいけない」と言われて育つと、無意識のうちに「自分の気持ちを抑えることが正しい」と思い込んでしまうことがあります。
特に、親の顔色をうかがって育った人は、「自分がどう感じるか」よりも「相手がどう思うか」を優先しがちです。
「親が怒らないようにしよう」「悲しませたくない」と考え、いつの間にか自分の本音を抑えるクセがついてしまうのです。
例えば、「本当は泣きたいのに、泣いたら叱られた」「本当は嫌なのに、断ると機嫌が悪くなる」といった経験が積み重なると、「自分の気持ちは二の次にするものだ」と学習してしまいます。
その結果、大人になっても「自分の意見を言ったら迷惑かもしれない」と考え、周囲に合わせることが当たり前になってしまうのです。
「嫌われるかもしれない」という不安
「自分の意見を言ったら、相手に嫌われるかもしれない」という不安を抱えていると、本音を隠し、相手に合わせることが習慣になってしまいます。
特に、人間関係で傷ついた経験がある人は、「自分の本音を出したことで関係が悪くなったらどうしよう」と無意識に恐れてしまうことが多いです。
例えば、過去に「自分の意見を言ったら否定された」「反論したら距離を置かれた」などの経験があると、「本音を言う=関係が壊れる」と思い込んでしまいます。
また、日本の文化では「和を大切にする」ことが重視されるため、周りの意見と違うことを言うことに抵抗を感じる人も多いでしょう。グループの中で孤立した経験がある人ほど、「ここで意見を言ったら、自分だけ浮いてしまうのでは?」と不安を感じやすくなります。
こうした不安が積み重なると、「とにかく相手に合わせるのが正解」と思うようになり、自分の気持ちを表に出すことが怖くなってしまうのです。
「いい人」でいることが評価されてきた
周りから「気が利くね」「優しいね」と褒められることが多いと、「いい人でいれば、人間関係はうまくいく」と思い込んでしまいます。
でも、それが行き過ぎると、「NO」と言えなくなったり、本当は嫌なのに受け入れてしまったりすることが増えてしまいます。
「いい人」でいることのメリットは確かにあります。人に好かれやすく、周囲との摩擦も少なくなるかもしれません。
でも、「いい人」でいることを最優先すると、自分の気持ちを押し殺すことが当たり前になり、「自分が何をしたいのか」よりも「どうすれば相手が喜ぶか」に意識が向くようになります。
その結果、自分の本音を言うことができず、どんな状況でも「受け入れる側」になってしまい、気づけば人の期待に応えることが義務のように感じるようになってしまいます。
『相手に合わせる』自分を否定しないことから
「相手が喜ぶなら、それでいい」と思いながらも、心のどこかでモヤモヤが消えない…。
そんな違和感を抱えたまま、過ごしている人も多いのではないでしょうか。
もし、あなたが「相手に合わせすぎてしまう」と悩んでいるのなら、まずは『そのことを責めないこと』から始めましょう。
「相手に合わせすぎる」のは、決して『悪いこと』ではありません。それは、「人との関係を大切にしたい」「誰かを傷つけたくない」という優しさがあるからこそ。
今まで「相手を優先すること」が必要な場面がたくさんあったからこそ、そうすることで人間関係を円滑にし、周囲と調和を取ってきたのではないでしょうか。それは「弱さ」ではなく、「これまでの環境に適応するための努力」だったとも言えます。
だからこそ、「私はダメだ」と責めるのではなく、「私は私なりに頑張ってきたんだ」と認めてあげることが大切です。
ただ、その優しさが、自分を苦しめてしまうとしたら…。
少しずつでも、「自分の気持ちを大切にすること」も、選べるようになっていけたらいいですよね。
この先も「誰かに合わせる」場面はあるかもしれません。
でも、そのときに今の自分を否定せず、その上で「私は本当はどうしたい?」と、一度自分に問いかけてみることが、自分を大切にする第一歩になります。
あなたは、あなたのままで大丈夫。
少しずつそう思えるようになりますように。