「泣きたくないのに…」本音を語ると涙がこぼれるワケ
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
「本当は泣きたくないのに、気持ちを言葉にしようとすると涙が出てしまう…」
そんな経験をしたことはありませんか?
悲しいわけでもないのに、涙が勝手にこぼれてしまう。特に、大事な場面や冷静に話したいときほど涙が止まらなくなる…。
「こんな自分はおかしいのでは?」
「もっと強くならなきゃダメなの?」
そんなふうに感じてしまう方もいるかもしれませんね。
でも、大丈夫。
あなたがおかしいわけではありません。
本音を話すときに涙が出るのには、ちゃんと理由があるのです。
今日は、その理由を掘り下げながら、少しずつ涙と向き合うためのヒントをお伝えしていきます。
本音を言うと涙が出る理由
私たちが流す涙には、「感情を発散する役割」があります。
特に、「本音を話すときの涙」は、次のような理由で流れることが多いのです。
① 感情を抑え込んできた反動
- 子どもの頃から、周りの顔色をうかがって生きてきた
- 本音を言って否定された経験がある
- 「自分が我慢すれば丸く収まる」と思ってきた
このような経験がある人は、本音を話すこと自体に大きな負担を感じて涙が出ることがあります。
長い間、本音を押し殺して生きてきた人ほど、「いざ話そう」とすると感情が一気にあふれます。それが涙となって表れるのです。
② ストレスが限界に達している
- 長年の我慢が積み重なっている
- 言葉にすることで初めて「つらかった」と気づく
- 心が「これ以上抱えられないよ」とSOSを出している
本音を伝えようとするとき、無意識のうちに「ストレスのピーク」に達していることがあります。たくさんのことを我慢し、耐え、「もう限界!」というサインとして涙が流れるのです。
他人を優先したり、自分の意見を言うのが苦手だったり、つい相手に合わせてしまう…という人に多いのが、この涙。心と体を守るための「解放の手段」として働いている、と表現してもよいかもしれませんね。
③ 「本音を言う=危険」と思い込んでいる
- 本音を言ったら怒られた
- 気持ちを伝えたら笑われた
- 素直になったら裏切られた
このような過去の経験から、「本音を言うと、傷つく」と学習してしまうことがあります。
こうした経験があると、「本音を話すのは怖いことだ」という無意識のブレーキが働きます。
でも、抑え込んだ感情が、勝手に消えることはありません。溜まった感情が限界に達した時、涙という形であふれ出してしまうのです。
涙と向き合うためにできること
「本音を言いたいのに、涙が出てしまう…」
そんな自分が嫌になることがあるかもしれません。時には、「涙を武器にしている」「泣けば済むと思っている」というような、不本意な評価を受けてしまうこともあるでしょう。
では、どうすれば「涙」を止められるのか。
そのために出来る心の持ち方と、対処法についてお伝えします。
1. 「涙が出るのは悪いことではない」と知る
涙は、心が溜め込んできた感情を外に出す大切な働きをしています。
「泣いてはいけない」と思うと、さらにストレスがかかり、涙を抑えようとすることで余計に緊張してしまうこともあります。
だからこそまずは、涙を責めずに受け入れること。「泣くのはダメなこと」と思わずに、「これまでよく耐えてきたね」と自分をねぎらってみましょう。
これだけで、心の負担を減らしていくことができます。
2. 安心して本音を話せる場所を見つける
本音を言うことに慣れていない場合は、「本音を言うことに慣れる」ステップが必要です。
慣れることで、「本音を話すこと」へのストレスは減り、その結果涙が出なくなります。
とはいえ、突然「大勢の前で泣かずに話す」のは難しいもの。いきなり人前で本音を話そうとすると、緊張や不安が強まり、涙が出やすくなります。
まずは「自分を否定されない場所」で少しずつ本音を出して、気持ちを言葉にすることに慣れていきましょう。
仲の良い友達や家族、カウンセラーなど第3者でも構いません。重要なのは「あなたを否定しない相手であること」だけです。
安心できる環境で練習を積み重ねることで、本音を話すことへの抵抗が少しずつ和らいでいきますよ。
3. 「過去の思い込み」に気づく
涙の背景には、「本音を言うのは危険だ」「弱いと思われる」という思い込みがあるかもしれません。
それが本当かどうか、今の自分の目線で見直してみることも大切です。
たとえば、幼い頃の経験や周囲の反応によって、「本音を言うと否定される」「泣くのは恥ずかしい」と思い込んでいることがあります。
しかし、それは過去の環境(家庭環境や学校などが特に影響しやすい)によるもので、今の自分には当てはまらない場合も多いのです。
「本当にそうなのかな?」と問い直すことで、少しずつ思い込みを手放し、本音を伝えることへの抵抗が和らぎます。
涙が減った成功事例
カウンセリングに来られたAさん(30代・女性)は、「本音を言うと涙が止まらない」ことに悩んでいました。
職場の面談や大事な話し合いの場で泣いてしまい、「どうして私はこんなに弱いんだろう…」と自分を責めていたそうです。同僚にも「また泣いてる」と思われているのではと、不安に感じている様子でした。
Aさんは、まず「本音を言うと涙が出るのは当然」と受け入れることから始めました。
そして、安心できる人に少しずつ本音を話す練習を重ねた結果…
✅ 最初は涙が止まらなかったけれど、話す回数が増えるうちに涙の頻度が減った
✅ 「泣いたらダメ」ではなく、「泣いてもいい」と思うことで気持ちがラクになった
✅ 本音を話すことが「怖いもの」ではなくなった
今では、「泣くことを恐れなくなったら、かえって泣かなくなった」と笑顔で話してくれます。
はじめはPocheにしか本音を話せないと言っていたAさんですが、今では会社の同僚や信頼できる上司にも本音を話せるまでになりました。
おわりに
本音を言うと涙が出るのは、あなたが「これまで一生懸命頑張ってきた証」です。
涙は決して「弱さ」ではなく、「あなたの心の大切な声」。
もし今、涙が出てしまっているなら、それはあなたの心が『もう無理しなくていいよ』と伝えてくれているのかもしれませんね。
焦らず、少しずつ。
あなたのペースで、本音と向き合っていけますように。