子どもの頃の記憶、ありますか?「あまり覚えていない」「嫌なこと・楽しいことしか思い出せない」その理由
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心理カウンセラーPocheです。
今日のお話は、大人になったあなたに尋ねる「子どもの頃の記憶」について。
これまで私は、過去の出来事や家庭環境が大人になった今の生きづらさに影響していることがある、とお伝えしてきました。
すると時々、こんな声をいただきます。
「でも、私は子どもの頃のことをあまり覚えていません」
「覚えていないということは、そんなに大きな問題はなかったのでしょうか」
反対に、
「嫌なことしか覚えていません」
「楽しかったことしか思い出せません」
という方もいます。
結論からお伝えすると…
こうした記憶の残り方の違いだけで、「過去の影響はない」「過去は無関係」とは言い切れません。
「ひどい出来事」だから忘れられないこともあれば、
「ひどい出来事」だからこそ『心を守るため』に一時的に忘れてしまうこともあります。
「同じような出来事」を経験したとしても、同じように「残る」とは限りません。
何が残り、何が思い出しにくくなるかは、
年齢だけでなく、感情や家内のやり取り、くり返し思い出されたかどうかにも左右されるからです。
まず大前提として、幼い頃の記憶が少ないこと自体は珍しくありません。
いわゆる幼児期健忘があるので、かなり幼い時期の記憶は、もともと大人になってから思い出しにくい傾向があるのです。
けれど大人になった今、
「しんどい」「苦しい」人間関係が続いていたり、なぜか親と関わるのが辛いと感じているのなら…
これから先にお話しすることが、「悩み解決のヒント」になるかもしれません。
3つの記憶パターン「覚えていない」「嫌なこと・楽しいことしか覚えていない」
ここでは下記の3パターンについて、「何が関係しているのか」をお話しします。
- 幼い頃の記憶が不自然なくらいに、ない
- 嫌なことしか思い出せない
- 何かあったはずなのに、嫌な記憶だけ抜け落ちている
1. 「ほとんど覚えていない」場合
子どもの頃のことを聞かれても、「よく思い出せない」「全体的にぼんやりしている」という方もいます。
「覚えていないくらいだから、大したことはなかったのかな」と思ってしまうかもしれません。
でも、必ずしもそうとは限りません。
たとえば…
- 親子で昔のことを振り返って話す機会がほとんどなかった
- 親があまり関心を向けてくれず、自分の話を聞いてもらう経験が少なかった
- 自分の気持ちを話すより、親の気分や話を優先してきた
また、家の中に緊張感が強かった場合には、その場を無事にやり過ごすことのほうが大切になっていたのかもしれません。
つらい体験が多かった人ほど、心が自分を守るために、記憶をはっきり思い出しにくくしていることもあります。
そのため子どもの頃のことが、
「何もなかったように思える」「全体的にぼんやりしている」という形で残ることがあるのです。
過去の出来事を細かく思い出しにくくなることがあるとも言われています。
だから、「ほとんど覚えていない」ということだけで、何もなかったとは言い切れないのです。
むしろそれは、その頃のあなたが、「それだけ心を守りながら過ごしてきたサイン」なのかもしれません。
2. 「嫌なことしか覚えていない」場合
子どもの頃のことを思い出そうとすると、楽しかったことよりも、つらかったことや嫌だったことばかり浮かんでくる。
「自分が悪いことばかり覚えているだけなのかな」「考えすぎなのかもしれない」と、自分を疑ってしまう方もいるかもしれません。
でも、そうとは限りません。
人の心は、安心できた出来事よりも、傷ついた出来事や、強く緊張した出来事のほうに反応しやすいことがあります。
怖かったり悲しかったり、つらかった出来事ほど、記憶に残りやすいのです。
たとえば…
- 親から繰り返し否定されていた
- 何度も怒られていた
- いつも顔色を見ながら過ごしていた
- 恥ずかしい思い出を何度も言われた
そんなことがあると、嫌だった場面は、それだけ心に深く刻まれやすくなります。
また、つらかった出来事を何度も思い返してきた場合には、その記憶がさらに強く残ることもあります。
「繰り返し思い出した嫌な出来事」もまた、記憶に定着しやすいのです。
「嫌なことしか覚えていない」のは、あなたが大げさだからでも、いつまでも引きずっているからでもありません。
それだけ、嫌だった出来事が、心に強く残りやすい形で積み重なっていたのかもしれません。
3. 「楽しいことしか思い出せない」場合
親のことは嫌いじゃないけれど、なんだか苦手。
一緒にいると緊張する。
実家に帰ると、ドッと疲れる。
でも、子どもの頃のことを思い出すと、なぜか楽しかったことや、明るい場面ばかり浮かんでくる…そんな方もいます。
「つらい記憶がないなら、私は大丈夫だったのかもしれない」と思うこともあるかもしれません。
でも、それだけで「何も影響はなかった」とは言い切れないことがあります。
人の心には、つらさの中でも自分を保つために、安心できる記憶や、あたたかい思い出に支えられようとする働きがあるからです。
大切にされてなかったと認めるのが怖くて、「あれも愛の形だった」と思い込むこともあります。
また、家族の中で何度も話された楽しいエピソードは、記憶として残りやすくなることがあります。
その一方で、苦しかったことや、つらかった気持ちは、思い出すとしんどすぎて、うまく言葉にならないまま残っていることもあります。
「楽しいことしか思い出せない」ことと、「何もつらいことがなかった」ことは、必ずしも同じではないのです。
楽しい思い出があること自体は、決して悪いことではありません。
それは、その頃のあなたにとって大切な支えだったはずだからです。
3つのパターンの共通点
ここまで、「ほとんど覚えていない」「嫌なことしか覚えていない」「楽しいことしか思い出せない」という3つの記憶の残り方についてお話ししてきました。
残り方はそれぞれ違っていても、その背景には、共通するものがあることがあります。
たとえば…
- 親の機嫌が不安定だった。
- 家の中にいつも緊張感があった。
- 親が不仲だった。
- 安心して甘えられる感じが少なかった。
- 「いい子でいないと愛されない」と感じやすい空気があった。
そういう環境の中では、子どもは「悲しい」「怖い」「寂しい」といった気持ちを、そのまま出しにくくなることがあります。
すると、少しずつ自分の気持ちを抑えることが当たり前になっていきます。
「本当は嫌だった」「本当はつらかった」「本当は寂しかった」
そんな気持ちがあっても、それを感じすぎないようにしたり、言葉にしないようにしたりしながら、その場を必死にやり過ごしてきたのかもしれません。
そして実は…
そうした積み重ねは、大人になってからの「悩み」に繋がりやすいのです。
たとえば…
- 自分の気持ちがわからない。
- 嫌と言えない。
- 人に合わせすぎてしまう。
- 急に限界が来る。
- 頼ることに罪悪感がある。
- 顔色を見すぎる。
- 自分を責めやすい。
過去を覚えていないのは「ダメ」なこと?
今回、「過去を覚えているか」というテーマでお話をしました。
でもここでお伝えしたいのは、「過去を覚えているのが良い・悪い」ということではありませんし、過去を完璧に思い出すことが重要なのでもありません。
今抱えている悩みが、自分の性格や努力不足のせいではなく、「過去の何か」が関係しているのかもしれない。
…そんな可能性について、知ってほしかったのです。
可能性について知ることは、必要以上に「自分を責めすぎること」から抜け出すために必要です。
今のあなたがどんな場面で苦しくなりやすいのか。
どんな時に自分を抑えやすいのか。
何に触れると、気持ちが大きく揺れるのか。
…そうしたことを一緒に少しずつ見ていくことで、「今の生きづらさ」を少しずつ変えていけます。
Pocheメールカウンセリングでできること
「子どもの頃をあまり覚えていない」
「嫌なことしか出てこない」
「楽しい思い出はあるのに、なぜか今が苦しい」
Pocheのメールカウンセリングでは、そんな状態からでも大丈夫。
記憶がはっきりしていなくても大丈夫ですし、言葉がまとまっていなくても大丈夫です。
悩みがはっきりしなくても、まったく問題ありません。
今ある生きづらさや違和感から、少しずつ背景を見ていくことはできます。
もし今、理由のわからない苦しさをひとりで抱えているなら、その違和感をどうかひとりで抱え続けないでくださいね。


