「考えたくないのに…」 〜夜寝る前に「嫌な人のこと」を思い出してしまうあなたへ
こんにちは。
心理カウンセラーPocheです。
「もう考えたくないのに、頭の中に浮かんでくる」
「眠りたいだけなのに、心がざわざわして眠れない」
そんな夜に悩まされる方は、少なくありません。
一日の終わり、ようやく自分の時間がきたはずなのに、思い出したくない人のことがふと浮かんできてしまう。むかし言われた嫌な言葉を思い出して、恥ずかしくなったり、悔しくなったり、怒りが出たり…。
そのたびに、心の中にモヤモヤが広がって、眠るどころか、ますます疲れてしまうこともあります。
でも、まずお伝えしたいのは、
「思い出してしまうあなたは、悪くない」ということです。
「考えたくないのに」「思い出したくないのに」と思うのも自然な反応ですが、
どうか「考えたり思い出したりする自分」を責めることがありませんように…。
そう願いながら記事を書いています。
思い出してしまうのは心がまだ疲れているサイン
日中は、気を張っているから平気に見えるかもしれません。
でも、夜になってほっとひと息ついたとき、その安心と引き換えに、奥のほうに隠していた不安やストレスがゆっくり浮かび上がってくることがあります。
特に、傷つけられた記憶や納得のいかないやりとりは、「もう大丈夫」と頭では思っていても、心の中ではまだ、癒されずに残っていることが多いんです。
あなたの中にあるその“思い出してしまう気持ち”は、まだ納得できない何かがあったり、ちゃんと向き合ってもらいたくて、何度も顔を出してくるのかもしれません。
「あの時傷ついたよ」
「あの人に気をつけて」
「もう近づかない方がいいよ」
何度も思い出すことで、あなたに教えてくれているのかもしれません。
無理に忘れようとしないでおく
「早く忘れなきゃ」
「こんなことで悩んでる自分が情けない」
そう思ってしまうこともあるかもしれません。
でも、無理に忘れようとすればするほど、逆にその記憶は強く残ってしまうこともあります。
実は心理学の世界では、「思考抑制(しこうよくせい)」という働きが知られています。
これは、「考えまい、忘れよう」とすればするほど、かえってその記憶が強く意識にのぼってきてしまう、という現象です。
たとえば、「白いクマのことは絶対に考えないでください」と言われると、つい白いクマの姿が頭に浮かんでしまうように――
私たちの脳は「忘れよう」と強く意識すると、その対象をいっそう鮮明にとらえてしまうのです。
「思い出してしまう」のは、あなたの心が弱いせいではなく、ごく自然な反応。
無理に消そうとせず、「まだ心の中にあるんだな」と気づいてあげるだけで、少しずつ落ち着いていくこともあります。
大切なのは、今の自分の心にそっと寄り添ってあげること。
「そうだよね、まだつらかったんだよね」
「思い出すのは、ちゃんと意味があることだったんだよね」
そんなふうに、自分に語りかけてあげるだけでも、少しずつ心はほぐれていきます。
自分に語りかけるなんて…と思う方は、「自分を責めそうな時」に、この記事を思い出して読んでもらえると嬉しいです。
客観的に自分の状況を捉えることで、心が落ち着くことがありますから。
夜は不安が膨らみやすいからこそ
夜の静けさは、時に心の重さを引き出してしまいます。
もし今夜も、また同じ思いが浮かんできたら、あえて深追いしたり、無理に解決しようとしなくても大丈夫。
あなたの心がそうして感じていることには、ちゃんと意味があります。
どうしても落ち着かないなら「明日の朝になっても不安だったりモヤモヤしたら、また考えよう」と思ってみてください。
そうすることで「今」の心が、少し落ち着くことがあります。
すぐに眠れない夜が続いていても、すぐにスッキリできなくても、
それでも、あなたの心は少しずつ前に進んでいます。
「今日もがんばったね」
「ちゃんと休んでいいんだよ」
どうか、そんな言葉を、自分にかけてあげてくださいね。
あなたが少しでも、やわらかな眠りにつけますように。
そして、心がほっとできる場所と出会えますように。