「帰省が憂うつ…」親だからこそ、しんどくなる関係に悩むあなたへ ──罪悪感のあいだで揺れる心に
こんにちは。
心理カウンセラーのPocheです。
年末年始や長期休暇、帰省のタイミングが近づくと、どこか心が重たくなってしまう——
そんな気持ちを抱えているあなたへ、今日はお話を届けたいと思います。
帰省のたびに心がざわついてしまう
「そろそろ帰らないと…って思うけど、なんとなく憂うつ」
「親に会うのがイヤなわけじゃない。でも気が重い」
「『ちゃんとしなきゃ』と思えば思うほど、疲れてしまう…」
「実家に帰るのが楽しみ」という声も多い中、そんなふうに感じられないことに、後ろめたさを覚えてしまう人もいます。
世の中には「実家に帰れるのが嬉しい」「親に会えるのが楽しみ」という声も多い中、そう思えない自分を責めてしまう人も少なくありません。
「会いたくないと思う自分は冷たいのでは」「嫌いなわけじゃないんだけど…」と、誰にも相談できずモヤモヤを抱えてしまうこともあります。
でも、まず伝えたいのは——
あなたがそう感じるのは、決して“親不孝”でも“心が狭い”わけでもないということです。
親との距離感がしんどく感じてしまう理由
帰省という時間は、普段距離をとっている「親との関係性」と改めて向き合うことになるタイミングでもあります。
「結婚はまだ?」
「仕事はどうなの?」
「もう〇歳なんだから…」
「ちゃんとしてるの?」
親に悪気がなくても、ただ心配から出た言葉だとしても、こういった言葉がプレッシャーになることがあります。
親を思う心、子どもを気遣い心配する心…
それらが強い親子関係ほど、互いにモヤモヤを抱えてしまうことがあるのです。
実家にいると無意識に「いい子」でいなければならない気がして、心が休まらなかったり——。
過去に傷ついたことや、親の価値観に合わせてきた歴史がある人ほど、「ただ帰るだけ」で、ものすごくエネルギーを使ってしまうこともあります。
好きとか嫌いとか、感謝しているとか、親が悪いとか、子どもの我慢が足りないとか、そういう簡単な話ではないのです。
相談事例:帰省が近づくたびに不安になる
Kさん(30代・女性)は、毎年帰省のたびに「胃が痛くなる」と話してくださいました。
「実家に帰ると、何気ない会話の中で“まだそんなことしてるの?”“それって普通こうじゃない?”って言われるんです。親にとっては軽口かもしれないけれど、帰るたびに自分を否定されているような気持ちになってしまって…。帰省が近づくたびに、気持ちが沈んでしまうんです」
Kさんは、「親は悪気がないから」「私が大人にならなきゃ」と、ずっと気持ちを飲み込んできました。
でもカウンセリングの中で、「悪気がある・ないに関わらず、Kさんが“苦しい”と感じていること自体が大切なんですよ」とお伝えすると、
「そう思うのはダメなことじゃないんだ」と、初めて自分の感覚に許可が出せたようで、安心された様子でした。
「親だから我慢しなきゃ」は必要ない
「育ててもらったんだから」
「感謝しなきゃ」
「会いに行かないと申し訳ない」
そんな気持ちがあるのは、とてもやさしい動機です。
でも、「感謝」と「我慢」は、本来別のものです。
たとえ相手が親であっても、「傷つく」と感じることがあるなら、無理をして付き合う必要はありません。
もし、帰省が心に大きな負担になっているのだとしたら、
・今回は少し短く帰る
・話題をそらす工夫をしてみる
・“自分のペースで関わっていい”と自分に許可を出す
そんなふうに、自分を守る選択をしてもいいのです。
最後に
「親なのに、しんどく感じるなんて…」
「本当は仲良くしたいのに、近づくと疲れてしまう…」
そんなふうに思っているあなたへ。
あなたが感じている“しんどさ”には、ちゃんと理由があります。
それは、あなたの心がずっとがんばってきた証です。
そしてその疲れに気づけた今こそ、少しずつ「心地よい距離のとり方」を見つけていくタイミングなのかもしれません。
もし、気持ちを誰にも言えずに一人で抱えているなら——
ここに、あなたの言葉をゆっくり受け止める場所があります。
“いい子”のままで苦しくなっている心を、そっと休ませてあげる時間を。
そして、あなたが「自分らしくいられる関係の築き方」を、これから少しずつ選び直していけますように。