【毒親育ち】ママ友の付き合いがしんどい!トラブルの原因と対処法
こんにちは。心理カウンセラーPocheです。
例年、1月から4月にかけて増えるのが「ママ友との付き合い方」に関するご相談。
そこで今回は、ママ友との付き合い方について、特に多く寄せられる悩みや不安、そしてその原因と対処法についてお伝えできればと思います。
ママ友トラブル回避の3原則
ママ友とのトラブルを避けるために勧められているのは、一般に次のような事柄です。
・1:お互いに適度な距離感を保つ
・2:相手も自分も大切にする
・3:相手も自分も負担にならない関係を保つ
「誘いを断ってはいけない」「誘わなくてはいけない」など、「しなければいけない」をなくしていくこと。
さらには、相手がどうしてほしいのかだけではなく、自分がどうしたいのかも考えていくこと。
相手に嫌われないように頑張るのではなく、「自分が心地よいと思える距離感」を見つけていくこと。
これらを心がけていけば、ママ友トラブルの多くは回避できます。
…いかがでしょうか?
「そうか、この3つを心がければいいのか!」と納得して、スッキリしましたか?
スッキリしたと感じた方は、上記の3つをすめほのメモ画面に入れておいたりして、『ママ友と会う前に読みむ』ことを続けてみてくださいね。
さて…。
実は、ここから先を読み進めてほしいのは、『上記のアドバイス』をみた時に、スッキリしなかったあなたです。
「適度な距離感なんてわからない」
「相手も自分も大切にする方法がわからない」
「わかっているけど、嫌われるのが怖い」
…そう感じたあなたに伝えたいことがあります。
そう感じるのは、何も悪いことではないし、おかしなことでもありません。
そう思うのには、理由があるからです。
毒親育ちが抱えやすい4つの不安
※ここでは「毒親育ち」という言葉を使っていますが、「私は毒親育ちじゃないんだけど…」という場合にも、お読みいただけます。
ここに書く内容は「毒親育ちが抱えやすい」ということであり、毒親育ちではない人も抱えることがあるからです。
「ママ友との関係に悩まないようになりたい」
「悩まない性格になりたい」
「自分の何かがダメなのではないかと思う」
そうおっしゃる方は多いのですが、その多くは性格のせいで悩んでいるのではありません。
では、悩む人と悩まない人その差は何なのでしょうか?
その差は、ママ友との関係性に「不安」を感じるかどうかです。
何かがダメだとか、あなたの性格が悪いとか、そういうことではありません。
では、なぜ不安を感じるのか…ということですが、そのことに影響を与えるのが幼少期の影響なのです。
この章では「4つの不安」について解説しています。
まずは、あなたが今抱えている不安が「どのような不安なのか」を探してみましょう。
①「私だけ?」という不安
他のママ友同士が仲良くしているのをみた時に「自分だけ仲間外れなのでは?」と感じたり、「あの人はうまくやっている」「自分だけがうまくいっていない」と比較したりと、周囲のママ友と比較することで生まれる不安です。
SNSなどを通して他人の表面上の関係性を目にしたりすることで、この不安は増幅します。
自分に自信がない場合、「自分にないもの(自分が手に入れられていないもの)」ばかり目に入って、苦しくなってしまうこともあります。そのせいで、「見たくないのに、見なければいいのに…見てしまう」と悩む方は、とても多いのです。
これは、幼少期に「いい子」を求められたり、「みんなと同じでなければいけない」と育った人に多い傾向です。
「したいこと」「好きなこと」よりも、「すべきこと」「求められていること」が優先されやすいです。
その結果、我慢が続いて人間関係に疲れてしまうことがあります。
②「嫌われてしまったかも」という不安
なんとなく相手が素っ気なかったり、挨拶がよそよそしかったり、以前より会話が少なくなったり、相手から話しかけてくれなくなったり…。
相手の何気ない態度や、言葉のトーンに反応して、「もしかして私の何かが悪かったのでは?」と不安が生じます。
相手が自分に悪い感情を抱いているのでは…と心配になってしまいタイプです。
このタイプの不安に多いのは、幼少期に自分のせいではないことを「自分のせい」にされた経験や、「ありのままの自分で愛される」という感覚が不足しているという傾向です。
誰かに嫌われないために頑張りすぎて疲れてしまう、ということもよく見られます。
③「うまくやれていないかも」という不安
他の人との関係構築や、連絡の頻度、イベントでの対応など、自分の行動が「適切ではないのでは」と不安になるケースです。
他人からの何気ない一言や、「出来ている人」「人気のある人」と自分を比べ、自信をなくしてしまうことも…。
特に大きなトラブルがあったわけではないけれど、「うまくやれていないかも」「これで合っているのだろうか?」「やっぱり、こっちの方が良かったのでは」という不安が付きまとい、気が抜けない状態になることも珍しくありません。
幼少期、親が過干渉だったり、あれこれと手出しされてきた人に多い傾向です。自分一人で決断して行動する経験が不足しているので、「出来ていても不安になる」傾向があります。
そのほか、やることなすこと「否定された」場合にも、同様に「これでいいのだろうか」と自分の選択や行動に自信が持てません。自分の行動=否定される、という経験が根付いているからです。
④「孤立してしまうかも」という不安
今は特にママ友同士の問題がなくても、将来的に孤立することへの漠然とした不安が生じるケースです。
特に、子どもの成長とともに環境や交友関係が変わるたびに、「自分だけが周囲から取り残されるのでは」「学年が変わったら今の関係が保てないのでは」といった恐れが生じることがあります。
孤立することそのものに不安を感じることもあれば、「孤立した自分が他者からどうみられるのか」ということに不安を感じることもあります。
前者の場合は、「いつか人は自分から離れていく」という不安を抱えている場合に生じやすく、後者の場合は「世間体」が過度に気になる場合に生じやすいです。幼少期に、親が過度に世間体を気にしていた場合、「自分の気持ち<世間体(人からどうみられるのか)」が優先されやすくなる傾向があります。
不安にどう対処していく?
ここで紹介した4つの不安の原因として「幼少期」のパターンを例に挙げていますが、いずれにも共通しているのは「過去の経験」が引き金になっている可能性です。
過去に孤立を経験したり、人間関係で傷ついたことがある場合、「また同じことが起こるのでは」という恐れが不安を引き起こします。
例えば子どもの頃、親が不機嫌になっていたとしましょう。
不機嫌になった親を見て、あなたは「嫌だ」と思うかもしれません。
でもそれと同時に、「この状況をどうしようか」と考えたり、「自分が何かしたのかな?」と不安になるかもしれません。
不機嫌な親に怒られて「怒られる私が悪いんだ」「私の態度が良くなかったのかも」と、反省することもあるかもしれません。
ー実際には、不機嫌の原因は「あなた」ではなく別の要因だったとしても、子どもにはそのことは分かりません。
特に親との関係性においては、親の言葉や態度に振り回されたり、怒られないために謝るしかないこともあります。嫌われないように合わせたり、頑張るしかないように感じることもあります。
このようにして「親の不機嫌=自分のせい」「親の不機嫌=自分が何かしなければいけない」が結びついてしまうことがあります。
これと同じことが、人間関係にも起こります。
子どもの経験は、大人になっても残りやすいのです。
先ほどの例を挙げるなら…
「親の不機嫌=自分のせい」が、「他人の不機嫌=自分のせい」に進化します。
「親の不機嫌=自分が何かしなければいけない」が、「他人の不機嫌=自分が機嫌を取らなくてはいけない」に進化します。
ママ友とうまくいかないのは、幼少期の親の関わりのせいだ!と、あなたの親を責めたいのではありません。
うまくいかない「不安」をもたらすきっかけが、幼少期にあるかもしれないという「1つの可能性」についてお伝えしたのです。
幼少期の影響があるから、ママ友とうまくいかないんだ!と言いたいのでもありません。
幼少期の影響があったとしても、ママ友と付き合っていくことはできます。
どのような影響を受けていて、あなたが今何に悩んでいるのかが分かれば、「どうしていくのか」という解決策も見つけられるからです。
原因がわかれば、解決策は見つかります。
親の言葉や態度のせいで「こうしなければいけない」という思い込みが出来上がって、そのせいで悩んだり無理をしたりしているのかもしれない…という可能性に気づくことができれば、人間関係は変えていけます。もっと楽になっていきます。
不安になるのは、悪いことではありません。
不安になるのは、ダメではありません。
不安は、あなたが「気にしていること」「しんどくなっていること」を気づかせてくれるサインです。
だからこそ、不安になりたくないと思った時は「何が不安なのか」について考えることをおすすめします。
その不安の原因が「現在」にとどまらず、「過去の親との関係」「幼少期」にあるのだとしたら、「過去の何が今の自分を縛っているのか」ということが、分かるだけで不安は軽減するからです。
※過去の何が自分を縛っているのか、については個別でメールカウンセリングでご相談可能です。
不安になる原因が「過去」にあったとしても、「現在」のあなたが少しずつ「自分がどう感じているか」に目を向けていけば不安は軽くなります。
不安が軽くなるだけで、ママ友との関係や距離感についても、今より悩んだり疲れたりすることはなくなっていきますよ。大丈夫です。